目的語がしっかりある文
英語には、必ず目的語を伴わなければならない動詞があります。授業で習った記憶がある方もいるでしょう――他動詞というものです。例を挙げれば、like「好き」、love「大好き」、discover「発見する」、invent「発明する」など。
日本語では、目的語がなくても文が成り立ちますよね。たとえば、
世界で一番好き。
とか、
ついに発見したぞ!!
といった具合です。
これらの文を、そのまま英語にすることはできません。I love the best in the worldといっても、聞き手は必ず「I loveって、何がloveなの?」とモヤモヤします。そのため英語では、
世界で一番君のことが好き。
I love you the best in the world.
I love you the best in the world.
などと目的語youを補わなければなりません。
ただ、これは非常にリスキーな作業です。目的語がyouであるとは、話者以外誰も断定できないからです。
もしこの台詞を、ロマンチックなバーでプレイボーイが隣の女性にささやいていたとしましょう。台詞の意味するところは「アイ・ラヴ・ユー」だと、隣の女性含め誰もが思うでしょう。しかし思わせぶりなプレイボーイは、
世界で一番このバーが好き。
I love this bar the best in the world.
I love this bar the best in the world.
と言っているかもしれないのです。目的語によって、文の意味が大きく変わってしまいますよね。
このように分かりにくい文章は、言葉のゲームを楽しむデート中なら有効かもしれません。しかしプレゼンや会議では分かりやすさが第一。英語のように目的語を補うと、文章がより伝わりやすくなります。