3. 相手を信じる
その時間が始まるとファシリテーターは場の支配者で、全ては自分の指揮の下に進んでいきます。だからといって主役が参加者であることを忘れては、きっと質の高い時間を創り出すことは困難でしょう。テーマを提示したら、根気よく参加者自身から主体的にメッセージが出てくる瞬間を待ちます。決して、急かしてはいけません。誘導尋問のようにその場で求めたい“答え”に近づけることも、避けるべきです。相手の理解、気持ちの変化、参加者同士の相互作用、それらが時間とともに混じり合い必ず「何か」は生み出されてきます。そう深く信じることが、ファシリテーターにとって何より必要な要素です。
極論、その時間内に答えが出なくても良いのです。相手の内側に秘められた「何か」はその時が来れば必ず形になります。そのための安全で心地よい空間づくりこそがファシリテーターの役割であるということを、開始前10分間の中であらためて思い出してみて下さい。