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元編集者が教える「締切を守らない著者に効く魔法の一言」10選

トゥルーテル美紗子 トゥルーテル美紗子


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締め切り。それは、期日・時限などを定めて、事務の取り扱いなどを打ち切ること(三省堂 大辞林より)。

しかし、いつまで経っても打ち切れない、打ち切ったはずが切れていない、打ち切ると自分の首が切られるかもしれない、そんな摩訶不思議な業界がこの世にはあります。出版業界です。

締め切りという単語が「納期」ではなく「努力目標」を意味すると捉える人が多い――いえ、ごくたまに見られるこの世界において、いかに“締め切り”と納期の幅を縮めるかは、編集者が大いに頭を悩ませるところです。

本記事では、約5年半という短期間ではありながら書籍編集者としてその問題解決に四苦八苦・閉口頓首・完全降伏した経験から、締め切りを守ってもらえる(可能性が高まる)魔法の言葉を10ご紹介できればと思います。

ちなみに私が制作していたのは、ビジネス書や自己啓発書、実用書といった類の書籍です。これが文芸書や児童書になると「締め切り」はまた違った意味を持つ――といいますか、全く意味を成さなくなると申しますか、ともかく事情が変わってくることを付記しておきます。

ひと言1:「これが本当の締め切りです」

初めて仕事をする著者、また締め切りを過ぎがちな要注意著者には、あらかじめバッファをとって締め切りを伝えることが多いものです。

たとえば、本当は5月14日で間に合うところを「5月1日です」と伝えておく。相手が1日に間に合わなかった時、「実は念のため余裕を持っておいたんです。5月14日が本当に最後の締め切りですから、それまでには何とかくださいね」と言えば、14日に原稿をもらえる可能性が高まります。
常にプランBを用意している辣腕編集者を気取ることもできますし、意外にも、本当に5月1日にもらえることもあります。後者の場合は心が傷みますが、ラッキーだったと喜びましょう。

ひと言2:「これが本当に本当の締め切りです」

ところがつわものの著者は、大抵の編集者が締め切りに幅を持たせていることを見抜いています。それを逆手にとって「本当の締め切りなどありません」とバッファをとらないという作戦も考えられますが、それは大変なリスクもはらみますので、「5月14日にも間に合わなかったことを想定し、締め切りその3を設けておく」方が現実的です。その3はその2ほど間をあけず、5月20日くらいにした方が良いでしょう。

ただ、締め切りを引き延ばすのはここまで。締め切りその4まで作ってしまうと、その5も6も7もあると思われてしまいますし、編集者自身も今が2なのか3か4だか100だか把握しきれなくなってしまいます。

この言葉を使う際は「本当に本当の」に凄みを持たせ、これ以上後はないことを強調してください。

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