加藤です。現在フリーでグラフィックデザイナーとライターを兼業しております。この口上が長ったらしくて面倒くさいので、最近は初対面の人に「何してるんですか?」と聞かれたら、「無職みたいなもんです」と言うことにしています。
フリーといえば聞こえが良いですが、そもそも何となくフリーランスをはじめて早数年、意外となんとかなりつつ、時たま煙草銭にも事欠いたりしながら今に至ります。
今回は、そのフリーランス生活の中で得られた気付きや知見のようなものを、ご紹介していきます。
1. フリーランスは気楽ではあるが、気苦労も多い
「フリーランスはいいよね、気楽でさあ」なんてよく言われますが、まったく仰る通りです。酒を飲みながら原稿を書いても、鼻をほじりながらベジェ曲線をいじっても、全裸で逆立ちしながらデザイン案を考えていても、誰にも咎められません。
もちろん、出勤、退勤もありませんから、好きなように予定を立てて仕事を進めていけます。
しかし実際には、酒を飲みながら原稿を書くと話がスリップしますし、鼻をほじりながらベジェ曲線をいじるのは左手が塞がるためショートカットキーが使えません。そして、全裸で逆立ちしながらデザイン案を考えていても辛いだけです。その結果が仕事にどのような影響を及ぼすかと申しますと、それはもうえげつないことになります。
なので、フリーランスは気楽ではあるけれども、しっかりと自分を管理して、普通以上に真面目に働かなければ仕事のクオリティは下がるし、取引先の信用も失ってしまうのです。気楽さ以上に気苦労も多いのです。
2. 好きなことばかりやっていると死ぬ
「フリーランスはいいよね、好きなことができてさあ」これもよく言われる言葉です。が、好きなことばかりやっていると人は金がなくなり、最悪の場合死にます。これは会社員も同じですよね。仕事もせずに昼間からデスクで酒を飲んだり、大声で手を叩いて歌い踊ったり、気に入らない上司をしばきまわしていたら、とんでもなく偉い人でない限りはクビになってしまいます。
多くの場合、人は「これをやってくれ」と、相手がやりたくない、出来ないことを頼まれ、これを代わりにやることにより対価を得ます。
フリーランスの場合は、やった仕事が気に入られなければ突っ返されたり、最悪の場合は金銭を支払ってもらえない場合もありますので、基本的に好きなことを好きなようにはできないのです。
ちなみに発注時によく言われる「好きにやってください」や「お任せします」は、一見自由にやっていいように思えますが、これは「とにかく俺の気に入るように、いい感じで作ってくれ」ということですので注意が必要です。