しかし、それは基本的に語られることは少ない。10代~20代前半までの、現実知らずな叶うことのない片想いであり、口に出すこと自体、恥ずかしい種類のものなのだから。しかし、back numberのボーカル、清水はこれを歌詞に託した。実際に清水が少年時代、そのような気持ちを抱いたのかどうかは定かでないが、歌詞にした時点でそう疑われてもおかしくないだろう。そういう意味では、このフレーズはある意味「道化行為」なのだ。これをユーモアと言わずになんと言えばいいだろう?
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月9の主題歌として採用された最新シングル『クリスマスソング』。この曲にも、back number流ユーモアがふんだんに込められている。
サンタとやらに頼んでも仕方ないよなぁ
(中略)
はしゃぐ恋人たちはトナカイのツノなんか生やして よく人前で出来るなあ
いや 羨ましくなんかないけど
聞いているだけで思わず突っ込みたくなってしまう、非リアの自虐をリアルに描いた歌詞だ。女々しさとユーモアのバランスがとても良く、ダメな主人公の恋をそっと見守ってやりたくなってしまう。恋をしている人は、それに自分を重ねる、なんてこともきっとあるだろう。このようなユーモアの感覚によって、一見女々しい彼らの楽曲も、女々しさを直接的に受け取らず、緩和して聞くことができるのである。その結果、「男の女々しさ」という、平成以前の時代では、なかなか受け入れられ難かった心理描写を扱いつつ、多数のヒットを生む人気アーティストの仲間入りを果たしたのだ。