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ミスチルはなぜ大衆ウケするのか? 名曲『Over』を通じて“普遍性”を考える

岡本拓 岡本拓


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出典:Mr.ChildrenオフィシャルHP

普遍性って何だろう?

ヒットソングを語る際に用いられる言葉のひとつに“普遍性”があるが、一体何なのだろう。歌詞に限定して言えば、端的に言うとそれは「あ、これ自分のことだ」と思わせる要素が曲の中にあるということである。では、普遍性を獲得するためにはどうすればいいのだろうか? 誰にでも当てはまるような当たり障りのないフレーズを入れれば、その歌詞は普遍性を獲得できるのだろうか?

結論から言うと、それは大きな間違いだ。むしろ、超個人的な感情を表現した際にこそ、歌詞というものは普遍性を獲得するものなのである。

ひねたリスナーたち

Reference:YouTube


ポルノグラフィティというバンドの「ヒトリノ夜」という曲の冒頭部分にこんなフレーズがある。

100万人のために唄われたラブソングなんかに
僕はカンタンに想いを重ねたりはしない

この歌詞はリスナーの本質を極めて的確に表現している。私たちリスナーは、日常的に膨大な数の曲を聞いている。音楽好きでなくとも、普通に日常生活を送っていれば否応なしに耳に入って来るからだ。そんな私たちが、「この曲いい!」と心動かされることはそう多くないし、とくに「この曲、自分のことを歌ってる!」と錯覚することは、とても少ない。「ヒトリノ夜」のように「そんな簡単に共感してたまるか!」と思っている、私のようなひねたリスナーもきっと少なくないだろう。

そのため、多くの人の共感を誘うには、誰にでも当てはまるようなありきたりなフレーズを使っているだけでは難しいと言っていい。「会いたい」「愛してる」「明けない夜はない」「同じ月を見て」「Dear・・・」そんなフレーズ、リスナーはもうすでに聞き慣れてしまっているのだ。

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