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ミスチルはなぜ大衆ウケするのか? 名曲『Over』を通じて“普遍性”を考える

岡本拓 岡本拓


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jpop4

大名曲『Over』に見る、ミスチルの凄さ

では、一体どのようにして普遍性とやらを生み出せばいいのだろう? 極めて難しいその問いかけに答えてくれるのは、過去の名曲たちだけだ。というわけで今回お世話になるのは、ご存じMr.Children、ミスチル先生である。

http://www.mrchildren.jp/disco/download/img/06_hanatareru.jpg
出典:Mr.ChildrenオフィシャルHP

ミスチルファンなら知ってるであろう、失恋ソング『Over』。タイトルのOverには、「Love is over.」のoverと、「乗り越えていく」という意味のoverのふたつの意味が掛けられていて、そのため曲自体も失恋ソングなのに不思議と前向きにしてくれる、そんな不思議なテイストに仕上がっているのだが、その大名曲『Over』のサビの一節をご覧頂きたい。

今となれば 顔のわりに小さな胸や
少し鼻にかかるその声も
数え上げりゃきりがないんだよ
愛してたのに 心変わりを責めても虚しくて

別れた恋人のかつては欠点に思えたところも、今となれば愛しく、かけがえのないものであったと気付く心理・・・恋人との別れを経験したことのある人なら、きっと一度は感じたことがあるはずだ。しかし、初めて見た方には気になる、引っかかるポイントがあるのではないか、と思う。

そう、あの爽やかなミスチルが、失恋ソングのサビで女性の乳房のことを歌っているのだ。
しかも、楽曲の顔と言っていい1番サビの、頭のフレーズで、である。

この「顔のわりに小さな胸や」というフレーズ、とても個性的なフレーズではないだろうか。別れた女性が、彫りの深い顔立ちだったのだろうか、それにある意味見合わない胸のサイズだったらしい。芸能人で言うと、例えば・・・いや、やめておこう。これはJ-POPの歌詞分析のコラムであり、乳房のコラムではない。

(お口直しに名曲『Sign』をどうぞ)

Reference:YouTube

話を戻そう。冷静に考えてみてほしい。「付き合った女性の胸のサイズが意外に小さかった」という感情は、自分が経験したとしてもすぐに忘れてしまうような、個人的で小さなエピソードだ。正直、歌詞にするのも恥ずかしいような、ある意味ちっぽけな体験であり(歌詞というのは往々にして壮大になりがちなのである)、とてもじゃないが、100万人以上が聞くことを想定して作られているとは思えない。
しかし、それなのになぜか聞く人の心をぐっととらえてしまう。一体、なぜこのフレーズが普遍性を生み出すのだろうか。それには、大きく分けて3つの要因がある。

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