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こどもはカネでは動かない【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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「こどもはおかねいらないんだもん」

その言葉を聞いて、一瞬、息子が何を言っているのかよく意味が分からなかった。そして、その一瞬ののち、妙に笑えてきた。そりゃそうだ。電車もバスも、保護者といれば無料。医療費だって区に助成してもらっているから、基本的には窓口での実費負担なし。幼稚園の保育料は、本人の見えないところで銀行から引き落とされているし、衣食住に関わるところはすべて親が支払っている。すなわち、彼が自分でお金に触れる機会というのはほとんどない。

「こどもはおかねいらない」というのは、全くもってその通り。我が息子ながら、ごもっともである。私は、「ですよね~」と呟きながら、一人で夕食の準備を始めた。

子どもに、自発的に、楽しくお手伝いをしてもらうようにするには、どうしたらいいのだろうか。私はどうやらまた、次なる方法を考えねばならなそうだ。子どもはカネでは動かない。まだ純粋な5歳の心をお金で動かそうとした母の、完全なる敗北なのであった。

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