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自撮り女子の本音【連載】さえりの”きっと彼らはこんな事情”

さえり さえり


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彼女の本当の名前は“マリカ”。TwitterのHNは、小学生の頃のあだ名(たぶん)で、きっと彼女には別れたばかりの恋人がいる。そして、その恋人とは半年程度の付き合いだったはずだ(おそらく)。

彼とは前のバイト先で出会った。3ヶ月勤めたバイト先を授業の都合で辞めるときに、連絡先を聞かれ、デートに誘われてその日には手をつないでいて、いつのまにか付き合うようになった。もともと、なんか気になるな、とは思っていたのだ。まさか、好きになるとは思わなかったけれど。

けれどたった半年の間にも些細な喧嘩が絶えず、価値観の違いが明らかになり、「このまま一緒にいるのは無理」とお互いが判断した。それでもまだ、彼のTwitterを毎日見に行ってしまうのは、未練からではない。だが、興味がないといえばウソになる。どこか「まだ好きでいてほしいな」と思ってしまうのは、まだ自分に新しい恋の相手がいないからかもしれない。

未練もないのに、独占欲がある。そんなことってあるのだろうか? この気持ちの扱いには、マリカ自身も困っている。

もしかしたら、また彼が連絡をくれるかもしれない。
もしかしたら、楽しい日々が戻ってくるかもしれない。

ほんのわずかに期待があることを、マリカ自身もはっきりとは認識していない。ただ、彼の興味がさっさと移ろってしまうことは、自身のプライドが傷つけられるような気がして、彼の注意を引こうとしてしまう。たとえば、彼のツイートにいいねをしたり、彼との思い出にまつわるものを意味深にツイートしてみたり。

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