職業自由人を自称していた頃、僕は周りの人達にも人生がどれだけ素晴らしいものなのか、別に相手に求められていないのにアドバイスをしていました。僕は受け売りである「自分の心に耳を傾けるんだ! 自分が何者で、何をする為に生まれて来たのか? その事を考えろ!」と熱く語っていました。そしてその後たくさんの後輩が僕の言葉を真に受けて、ある者は大学を辞め、ある者は海外に飛び出し(まだ帰ってきてない)色んなかたちで人生を狂わせてしまいました。僕の言葉にまんまと惑わされた友達や後輩が次々と、今までちゃんと歩んでいたレールから道を踏み外して自由人になってしまいました。
「大学は自分のやるべき事を見つける為に行く場所だし、もしそれが見つかったとしたら、すぐにでも大学を辞めてその世界に飛び込むべきだ!」と熱く語っていたら、真に受けた同級生や後輩が次々と大学を辞めました。
そして今はこう思う
「トンデモナイ事をしてしまったな! 俺!」
確実に数人の人生を大きく変えさせるキッカケを積極的に与えてしまいました。
僕は27歳で結婚するまでバイトをしてお金を貯めては旅に出るというような生活をしながら「人は何故生まれ、何をして、そしてどこに行くべきなのか」言ってしまえば「自分探し」をしていました。(今「自分探し」って言葉を聞くと「いっその事、殺してくれぇー!」と叫びたくなるほど恥ずかしい)そして自分のやるべき事を探し求めていました(定職につけ! 仕事しろ!)。そんな自分の生き方をその当時はとても気に入っていました。周りの友達を巻き込んで「早く世界に飛び出そうぜ!」とやんや! やんや! と騒いでいました。
もう一度言いいます。夢も良いけどほどほどにしとけ(あの頃の自分に向かって言ってます)。
あの頃は三ヶ月とか半年の長期の旅にこだわって旅人を名乗っていたけど、別に一週間の旅行でも十分海外は楽しめます。実際僕が今までで一番楽しかった海外旅行は半年間ガンジス川のほとりでウロウロしていた時ではなく、嫁と付き合って三ヶ月の時に行った6泊8日のハワイ旅行です。別に半年インドに行く必要はありません。ガンジス川でバタフライしなくても全然大丈夫。行った本人が言っているのだから間違いありません。彼女と行くハワイ旅行が一番最高。
あの頃はとにかく「自由」って言葉に憧れていたけど、それは若い頃の貴重な時間の浪費だったと思います。
僕が言いたいのは「夢を見ることは大切な事だし、自分の好きな事を見つけるのも大切。だけど! ちゃんと地に足をつけて歩んでいるか!?」って事です。夢も趣味も人生を楽しむ上でとても大切な事です。でも何事もバランスが大切。
夢100%で生きていこうとすると必ず痛い目をみます。
夢だけではなく自分がどんな仕事をするのか高校生くらいから少しずつ考えた方がいいと思います。
自分にとって向いていそうな仕事は何かっていうのをその年頃から考えていれば自ずとどういう進路に進むべきく見えてくるはず。