なぜあんなに気の入っていない走りをしたのか。緊張した? 本番の勢いに呑まれた? 順位はどうでもいいのだ。なぜ全力を出し切らずにポテポテ走ったのか、私はどうにも納得がいかなくて、ついに夕ご飯の時間、息子に質問してみた。
今日はかけっこ、たのしかった?
たのしかったよ。
そっか。でも、もしかしたらもっと早く走れたんじゃない?
う~ん(質問がよくわかっていない感じ。)
もっと頑張ったら、1番になれたかもしれないのに。悔しくないの?
うん。だって、みんなだいすきだから、みんながかってうれしくなれば、〇〇(息子)もうれしいから、くやしくないよ。
私、ぽかーん。
夫、苦笑。
え、徒競走って、誰しも自分が一番になろうと頑張るものなんじゃないの!? 完全にそういうオトナな考えしか持ち合わせていない私は、呆気にとられてしまった。みんなが勝って嬉しくなればそれでいい、って!! なにそれ!! いい人すぎるだろっ!!