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男同士の交換日記【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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そうして書いた、ある日の日記。

「たおちゃんにあいました。おおさかにひっこします。よよぎこうえんであいました。すぱげてぃーをたべました。よよぎこうえんのちかくでへびのぬけがらをみました。へびのぬけがらをみたことはありますか。しろくてながかったです。かわいていました。そのあとねました。」
 

「きょうはあさごはんをこうえんでたべました。それからこうえんであそびました。ぷーるにいきました。ぷーるのあとこうえんでまたあそびました。2かいじょぎんぐしました。はしごみたいなぽんぽんをはじめてのぼりました。ちょっとだけびっくりしたけれどだいじょうぶだった。もうのぼれる。それからねぎとろをたべておふろにはいりました。」
 

伝わりづらい部分もあるが(はしごみたいなぽんぽんって・・・)なんとなく息子が言いたいことは分かるし、息子が一日、どんな風に過ごしたのか、彼にとっての一日のクライマックスは何だったのか、今までの毎日よりも夫に伝わるようになっている気がする。朝ごはんの時間だけではカバーしきれない話題が色々出てくる。

そして、それはそれは独創的な字を書いていたが、毎日少しずつ字を書いているせいだろうか、それなりに読める字になってきている気もする。
 

そうして始まった交換日記、現在のところ、毎日順調に続いている。

息子は、夜寝る前までに必ず10マス×7行のノートに2ページから3ページほど今日の出来事を書き、夫は帰宅後、それに返事を書く。翌朝、息子はそれを見てニンマリしている。そして、私はその様子を見て、どこか嬉しい気持ちになる。
 

さらに、良い効果も見つけた。息子は、父に「〇〇ができた」という報告をするために、いつもはしなかったことに挑戦するようになったのだ。いわゆるネタ作りだ。日記に書くために頑張るのか、というのはいささか複雑ではあるのだが、結果として彼は頑張るようになったので、別にそれでいいかという気がしている。
 

そして、もう一つ、私の誤算。日記を書かせてみたところ、意外と「〇〇を食べた」という報告系が多かった。夫がいないなら手抜きでいいか、と、大した料理を作っていなかったのだが、これでは夫にそのことがバレてしまう。せめてもう一品、華やかな料理を加えてみようか。
 

男同士の交換日記、いつまで続くか見ものだが、母としては、いつまでも風通しのよい親子であってほしいと思うばかりである。

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