で、今からあげる要素は、ぜんぶ要らない要素です。
出典:IMDb
クリスチャンが以前従属させていて、いまは恨みを抱いて精神を病んでいる女性。まさかの拳銃をぶっ放します。この女性のくだり、要りません。この女性をクリスチャンが金で片付けた後、クリスチャンとアナはいたします。そのタイミングでする必要ある?
アナの上司で、アナを我が物にしたい男性。まさかの職場でレイプしようとします。この男性のくだり、要りません。この男性をクリスチャンが金で片付けた後、クリスチャンとアナはいたします。そのタイミングでする必要ある?
クリスチャンをかつて性的に調教した女性、ミセス・ロビンソンことエレナ。前回も書きましたが、「ミセス・ロビンソン」はダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」からの引用です。若者を性的に倒錯させてしまう年上の女性。クリスチャンがなぜ歪んだのか、重要な役どころのはずです。しかも、女優はあの官能映画の傑作「ナインハーフ」のキム・ベイシンガーです。ちゃんと掘り下げるなら、この映画に深みと、やっとこストーリーらしきものを与えたでしょう。しかし、今回の描き方にとどまるなら、このくだり、要りません。しかもこの女性と険悪な雰囲気になった後、クリスチャンとアナはいたします。そのタイミングでする必要ある?
出典:映画.com
仮面舞踏会のシーン。仮面は、個人の認証を捨てるための、肉体の官能への入り口です。スタンリー・キューブリック監督の「アイズ・ワイド・シャット」はそこを完璧に恐ろしく描いていました。しかし、この映画では、まったく機能していません。単に知ってる人同士が顔にくっつけただけのお面です。この舞踊会のくだり、要りません。またこのバタバタしたパーティのさなか、クリスチャンとアナはいたします。そのタイミングでする必要ある?
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へ、へ、へ、ヘリコプター墜落シーン。もうあかん笑いが止まりません。クリスチャンの操縦するヘリコプターが「メーデー! メーデー!」いやもう、観た人と笑いながら2時間ぐらい酒飲める。ヘリコプターのくだり、まったく要りません。で、テレビのニュースが行方不明っていってたのにガチャっと帰ってくる。ええかげんにええかげんにええかげんにせいっ。そしてなんてことなく帰ってきたクリスチャンとアナはいたします。そのタイミングでする必要ある?
「前作をはるかに超える」は嘘じゃありませんでした。誰かが一生懸命作ったわけだし、この映画に関わった多くのプロたちの手でできているとは思います。僕は誰かが作ったものに敬意を示すことは忘れたくありません。
ですが、真剣に作ってうまくいかなかったものは愛せますが、最初から何かを舐めた姿勢が見えるものには、客としてちょっと怒らざるを得ないんです。
僕だってどこか褒めたい。しかし、もう僕にできることはこれを書きながらじゃがりこのLを4箱食べきることだけでした。
でもここまできたら行くぞ第3作「フィフティ・シェイズ・フリード」は来年2月! じゃがりこはどこで食べるか考えます。
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