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やっと、電動自転車を買った話【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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電動自転車が通りを行き交う風景。ママが運転して、前や後ろに子どもたちが乗っている。通学のためだったり、習い事に行くためだったり、行先は様々。そんな様子を見るたび、東京もまた人々の生活の場なのだなと、当たり前なことを実感する。そういえば、都会ほど自転車の普及率が高いと、昔、近所の自転車屋さんのおじさんが言っていたなあと思い出す。お元気でいらっしゃるだろうか。

電動自転車が欲しい、とちょうど5年前、思ったことがある。当時私はアメリカのワシントンDCに住んでいて、長く続く坂道を上り切ったところにあるアパートに住んでいた。毎日、近くの大学の講座に通っていたのだが、完全なるペーパードライバーで運転に自信がなかったことと、大学周辺の毎日の駐車場の確保が大変だったこともあって、片道2㎞ほどの道のりを自転車で往復していた。しかし、これが想像以上の大変さだった。

なにしろ、行きの軽快さ(ずっと下り坂+朝の涼しい空気)と帰りのしんどさ(ずっと上り坂+強い日差し)のギャップが激しすぎる。通学は日に日に辛くなっていった。ああ、こんな時、電動自転車があったなら・・・。そう思って何店舗も探したものの、なぜだか電動自転車は一台も見つからず、Amazonで探しても品ぞろえは良くないし、デザインも極めてビミョーな(業務用カートみたいな)ものしかなかった。値段も20万近くした(当時、1ドル80円台だったのに!)。

そんな日々を送っているときに妊娠が発覚。ドクターに「妊婦さんは自転車に乗っちゃダメ!」と言われ、「渡米してから買った自転車なのに、もう乗らないなんて」と思う一方、「あの坂道をもう自転車で上らなくていいのだ」と、どこかほっとしたのを覚えている。ちなみに大学のほうは、難解な授業と大量のホームワークを日々こなすのが大変すぎて、自転車通学だろうとバスで通おうと、結局のところ、とてもとても辛かったのだが。

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