しかし、現実は厳しい。唯一の希望、ハローワークで絶望もした。
大学を卒業し、爾来20年間。一般的会社員として平均レベルに頑張って働いてきたつもりである。しかし。ところが。なぜか。社長と折り合いが悪くなり、ノープランで家族にも相談せずに退職した場合、ひとことでいうと完全なる自己都合退職とされ、失業保険が150日分しか支給されないのだ。
僕と同じ年齢、社畜期間で解雇などの会社都合で退職した場合は、270日分支給されるらしい。270日マイナス150日イコール120日。この120日分が自己都合で辞めたペナルティ、罪に対する罰らしい。自己都合で辞めたバカ者は、その120日間のうちに死ねとでも言うのか。「150日、5か月間で能力と希望に合致した仕事を探せ。さもなければ餓死しろ」そんな非情なメッセージを、ハローワークで受け取ることになるとは。
そのうえハローワークの担当者は、きわめて事務的に「自己都合で退職した大バカ者は、問答無用で今から3ヵ月間はすべての手当の支給が停止されます」などと地獄通告。涙も出ない。
3ヵ月間給料が支払われない会社がございますか? ブラックすぎやしませんか? 自己都合か会社都合か、そんな曖昧な区切りでこの差別。払った保険料が同じでこの格差。同じハローワーク通いでもこれだけの格差があるのだ。
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、3ヵ月の執行猶予を終え、晴れて一流失業者となった僕は、失業保険をもらうためにハローワークに月に一度の頻度で出頭している。そこで、真面目に仕事を探していたか、職業訓練を受けてきたか、担当者から尋問を受けて、晴れて失業保険が貰えるようになるのだ。犯罪者みたいだ。
やっとの思いでカタギになれた僕に、またも神様は意地悪をする。