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「結婚する気ある?」【連載】さえりの”きっと彼らはこんな事情”

さえり さえり


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大人はよく酔っ払って歩いている。アルコールを摂取したい夜があるのだろう。わたしは大人だ。そういうわけで、わたしはその日も酔っ払って歩いていた。関係ないという言葉は聞こえない。今も酔っ払っているからだ。ソーリー。

お酒はすごい。なんとなくいい気分になれてしまう。水やコーラではいい気分になれない。お酒は尊い、最高。そんな頭の悪そうな言葉を並べて友人と二軒目に向かって歩いていると、渋谷のラブなホテル街周辺に到着した(通り抜けただけですよ)。

わたしはこのあたりの夜の雰囲気が、控えめに言ってもだいぶ好きだ。

理由は簡単で、ホテルに入るかどうかを迷っている男女を目にすることができるから。

あの人たちは、いい。もう入ることは決めていても「いくか!」「おう! いくか!」と言い合うのは風情がないと思っているのか、何分くらい迷えば一番風流な感じでホテルに入っていけるかを探り合っている。「スマート:恥じらい」の割合が、実に「6:4」くらいになるように上手に調合しているように見える(異論は認める)。

今日もここらでドラマが起きているのかしらと見渡しながら、ラブなホテル街を通り抜けて道玄坂に出る途中で、女の声がきこえた。

結婚、する気ある!? いつまでも待てないよ????

 

だいぶ怒っている声だった。急いで目をやると、ホテルの入り口で電話をしている女が目にはいる。手ぶらだった。何事・・・・・・?

そう思っていると、わたしたちの前からひとりで歩いてきていたスーツ姿の男も同じように女を見ていた。そうだよね、きになるよね。何があったらここでそんなセリフを言うようなことがあるの? って思うよね。

わたしは多分同じことを考えている(のではないかと思われる)男に注目したが、彼は残念ながら一瞬で興味を失ったようでふいっと視線を前に戻した。そして、小さく「そうだよなぁ・・・・・・」と言ったのだ。

電話はしていなかった。隣にわたしには見えない友人もいなさそうだった。それは絶対に、「結婚する気ある!? いつまでも待てないよ????」に向けられた同意の言葉だった。

きっと彼の事情は、こうだ。

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