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歯医者というのは、実はものすごく奇妙な空間なのでは?

上田啓太 上田啓太


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へたすると、鼻の穴にドリルを突っこまれるかもしれない。この穴だったっけ、という感じで突っこまれる。そうなるとたまったもんじゃないので、私は本分を思い出させるべく、歯医者に説明しなければならないだろう。

口をパカパカと開け閉めして、教えてやる。これが口と呼ばれるものだ。それで歯医者は口の位置を思い出すが、今度は歯が何なのかが分からなくなっている。なので私が口の中を見せると言う。

「うわ、なんか気持ち悪い!」

率直な感想である。たしかに、口の中は臓器のようなピンク色だし、そこに白いものが大量に生えている光景は、おせじにもカワイイとかカッコイイとは言えない。私は自分の口内をけなされて傷つくが、それでも丁寧に説明する。これは歯と呼ばれるもので、物を噛むときに使う。はじめは子供の頃に生えてくる。それは乳歯と呼ばれている。しかし乳歯はそのうち抜ける。私の説明を聞いた歯医者は言う。

「えっ、乳歯って下ネタですか?」

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