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全部、ノストラダムスのせい【連載】神様がボクを無職にした

フミコフミオ フミコフミオ


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エイちゃんは、ノストラダムスの大予言にも夢中で「1999年に人類は絶滅する。どうせ死ぬのだから適当に生きよう」と小学生にしては厭世的な思想を持っておられた。30年以上経った今だから分かる。エイちゃんはアホであった。アホとは伝染するものでございまして、エイちゃんと付き合っているうちに僕も熱心な人類滅亡論信者になってしまっていた。

エイちゃんとは、学力、そして何よりも教師への自己プロデュースがモノを言う内申点の差が要因で義務教育時代だけの関係になってしまい、高校進学以降は音信不通になってしまった。ただ、エイちゃんが僕に遺した厭世的な物事の考え方は、「頑張ったところで皆死ぬのだ」という人類滅亡リセットボタンという概念となり僕の中に在り続け、大学進学、卒業、就職という人生の分岐点において、僕が本気を出す際の大きな障害となったのである。

皆さんご存知のとおり、1999年に人類は滅亡しなかった。あの夏の終わりの絶望を僕は忘れることはできない。何事にも本気になれないうちに25歳、凡庸な大人になっていた僕は、取り返しのつかないことをやらかしたことにやっと気づいた。ガビーン。僕の記憶が正しければ、少年マガジン連載の『MMR』も1999年夏まで盛り上げるだけ盛り上げ、あの夏が終わった途端なかったことにしていた。1999年人類滅亡を騒ぎ立てた大人たちは皆どこかへ消え失せていた。
 

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