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妻に言われた一言で愛は死んだ【連載】神様がボクを無職にした

フミコフミオ フミコフミオ


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働いていない、金を持っていない人間には厳しいのが、現代社会のはず。この世界に「無職死ね」というルールがあるのならば、そのルールは厳密に適用しなければならない。たしかに当該若者はアイドルのような顔立ちをしているが、結局は顔なのかい? 金がなくても顔があればいいのかい? それでは、

ホームルームで自爆テロを起こして失脚し、卒業後、「顔がなくても金があればいいんだろ」精神で突き進み、金融機関に就職、大金を目指して独立起業するも没落して借金返済の日々を送るワダ君の魂が救われないではないかっ!

許せない。許すわけにはいかない。僕はエロ本越しに若者を睨みつけた。この目線は30年前、ワダ君が僕に飛ばしていたものだ。ワダ君の呪いだろうか、若者と目が合ってしまう。そして僕は見た。若者の眼光に宿る恐ろしい怪物を。震えた。あの若者はカタギではない。見た目こそ三代目J Soul Brothersを愛聴する若者と変わらないけれども、その御正体は、大人の事情で具体的な組織名称を記述することは差し控えるが、広域で暴力事業を展開されている指定団体の三代目あたりだろう。死ぬ。僕は彼が立ち去るまで成人コーナーに顔を突っ込むように隠れてやり過ごした。

「人妻」「ギャル」「素人」「熟女」刺激的なワードが表紙を飾るエロ本の狭間で、「死にたくない」「バラされたくない」と祈りながら、一方で「この時間もパートで働けば時給分は稼げるのに・・・」と経済を考えている自分の卑しさがイヤになる。人間というのは、いっぺん道を外れてしまうと、どこまでも卑しくなれるようである。認めたくないが、「一刻も早く正社員、ホワイトカラーになれ」という妻の言葉は圧倒的に正しいみたいだ。

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