検証結果:友達は、すかさずツッコんでくれる。
検証場所④ 新宿南口
最後はこちら、最近新しくできた新宿南口の喫煙所。完全に屋内になっており、分煙時代を感じさせる。もくもくと副流煙の立ち込める室内は心なしか薄暗く、混み合っていたので隣との距離も近かった。これまで場数を踏んできた私といえどもなかなか恥ずかしい。
が、しかしこれも社会勉強! Let’s ココシガ!
「オネエサン、チョットスミマセン!」
き、きたーー! ついに待望の他人からのツッコミ!!! 喜んで声の主を見ると、東南アジア系の外国人男性である。
「アフリカの子供たちのための募金をお願いしています。ちょっとでもいいので、ここに名前と金額を書いてください」
予想外の展開に面食らう私に、彼は名簿を差し出した。カタカナでこれまで募金した人の名前が並んでおり、その横にそれぞれの募金額も書かれている。ほう、5,000円以上出す人がほとんどなのか。大人は自分で稼げるし、突然声をかけられてもそのくらいサラッと出すのが普通なのかな~。とまあ、よく分からないが納得して、財布の中を確かめようとした。
いや、待てよ。
募金というのは、必要とされているものを効率的に届けることができるルートを持っている。信用できる機関を通してするのが、最大限に生かす方法じゃないっけか。いつか観た『Do They Know It’s Christmas?』『We Are The World』などの80年代チャリティーソングを扱ったドキュメンタリー映像を思い出した。
目の前のこの人は、いったいどこの誰だろう?? そういえば名乗られてもいないし、説明もされていない。ていうか、喫煙所まで入ってきてココアシガレットなんか吸っている私にピンポイントで声をかけるなんてことはありえるのだろうか? こういう詐欺もあるってネットでみたような・・・。
急に不安になった私は、この人が本当にいい人で、活動熱心なあまり喫煙所で個人に声をかけているという可能性に罪悪感を感じながらも、
「あ、すみません。帰りの交通費しか入ってなかったです」
と言ってしまった。「ちょっとだけでもいいですよ」と、男性は微笑んだが「ほんと、ごめんなさい」と断った。
検証結果:新宿南口でココアシガレットを吸っていると、募金をお願いされる。