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いい関係はいいネーミングから【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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“ある商品やサービスをつくる”となったとします。企画も順調に進み、中身のアイデアが大体決まってきて「さてこのプロジェクトの名前をどうしよう?」となったとき、コピーライターがいい名前をササッと出してくれるととってもその場が盛り上がります。いい名前がついた時は、一気に現実味が出てきてワクワクするのです。名前をつけることはとてもファンタスティックなこと。モノが売れる売れないも、プロジェクトが上手く行く行かないも、ネーミングが大きく影響していると思います。

名無しって僕たちと関係できない

名前がついていないものは、まだ僕たちの世界にないと同じです。モノとしてはそこにあっても、ボンヤリしてイメージがなにもないように感じるのです。しかし、それに名前をつけると途端に僕たちとの関係が目に見えてきます。名前があることで他の人に伝えられたり、教えたくなるのです。持ち運びやすくするための「取っ手」のようなイメージですね。

例えば、名もなき瞬間に名前をつけた「賢者タイム」というネーミングは秀逸です。当時、多くの男の人が共感して短期間にばばーっと広がりました。名前が付けられたことで、今まで誰も意識していなかった数分間がなんだか愛すべきモーメントになったと思います。あの瞬間は、確かに「賢者の域に入った男」を疑似体験しているような感覚に陥ります。もうそれ以外の的確な名前が思い浮かびません。

街角のクリエイティブ ロゴ


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