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坂口健太郎から東大まで。女子大生のタラレバ妄想劇

オルカ オルカ


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2.  大学を1つしか知らないままだったら・・・

私は中学生の途中で、小さな南の島から今住んでいる東京の片隅に引っ越してきた。その初めての冬に、雪というものを見てみたくて小中学生対象のスノーボード教室に参加した時のことだ。

インストラクターのお兄さんは東京の大学生で、私にこう言った。

「オルカちゃんは、△△に住んでるんだ。じゃあ、○○大学って知ってるでしょ。俺そこの学生だよ」

「知らない」

そう。当時のわたしは、のちに自分も通うこととなる○○大学はもちろん、大学の名前なんて特に興味を持ったことがなかったし、全然知らなかった。それが離島に住んでいたせいなのか、そもそも中学生とは全国共通そういうものなのかは未だに謎なのだが、とにかく何も知らなかったのだ。

「えっ本当に○○大学知らないの? 駅伝も出てるしわりと有名じゃない? ○○大学知らないの!?」

驚くインストラクターのお兄さん。その得意げな言い方からして、たぶんちょっと自慢しようとしていたのだと思う。

「知らない。大学は、東京大学しか聞いたことない」

私はお兄さんの心を粉々に打ち砕いた。悪気はなかったのだが、今思えば嫌なガキである。彼はその日から学歴コンプレックスに悩み始めたかもしれない。そして伝えたい、私も数年後にその大学の後輩になったことを。

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しかし、だ。

もしもあのまま、東京大学しか知らずに生きていれば

高校生になった私は、こう考えたに違いない。

「なるほど周りの友達はみんな、専門学校や大学に進む人が多いんだね。じゃあ私は、特に専門学校で学びたいことがないから仕方ない、東大でも受験することにしよう」

そして、東大合格に向けて、みんなもやっていることだと信じて疑わずに3年間毎日猛勉強。目指すは東大のみ、東大1本勝負!(そこしか知らないから)

現実では大学受験すらしていないが、タラレバワールドの私は毎日勉強漬けの日々を送る。そして見事!

東京大学合格。

していたはずなのである・・・。どうか中学生のときのまま、無知でありたかった。

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