自分のアイディアやデザインに命を吹き込むには言葉が必要
まだ世の中にないアイディアとデザインは、どれだけ試作品を精巧につくったとしても100%は伝わりません。ただ、その凄さを伝えるために言葉は存在します。凄いアイディアやデザインは、言葉の力無しでは世の中に出られないのです。
そこで、アートディレクターは言葉を上手く操る努力をします。自分のアイディアやデザインを信じて世の中に出したいから。なにより尖ったままの表現を世の中に出せば、結果的にクライアントに貢献できることを分かっているのです。
アートディレクターの力量は言葉で決まる。同じアイディア・デザインでも、説明の仕方次第でクライアントがOKすることもあれば、ダメということもある。論理的な思考の組み立てと表現の強さをコントロールできるアートディレクターだけが、世の中に強いインパクトを残し続けることができるのだと思います。
もしも今デザインの仕事をされていて、なんだか自分のアイディアが通りづらいなと感じているのなら、自分の言葉の使い方を少し工夫してみてください。グッときた先輩の説明や本に載っている言葉を、真似して使ってみるのもいいと思います。きっと周りの人の反応が変わってくるでしょう。
一流の仕事をしている人はアイディアやデザインの技術だけでなく、言葉の技術の継承をしているのです。デザインや表現は年を重ねるにつれ先輩の影響から離れていくけれど、言葉の技術は一生残るものだと感じます。