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もしも私が小学生女子で、二人の男子に口説かれたらどうしよう?

上田啓太 上田啓太


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知的なツトムくんの秘めたるパッション

私は、全員分のノートを持って移動教室から戻っている。先生に言われたのである。しかし、途中の廊下で私はつまずいてしまう。あたりにノートが散らばってしまう。ひざをすりむいて血も出てしまう。それで私は泣き出してしまう。このとき、廊下の向こうからツトムくんが必死で走ってくるのである。そして私のひざの手当をすると、まじめな顔で言うのだ。

「廊下は走らないって決めてた。きみの泣き顔を見るまでは・・・」

これは、ちょっとやばい。キュンとする。ツトムくんに惹かれつつある自分がいる。クールだと思っていたツトムくんが、廊下を走るほど私のことを心配してくれた。学級委員長なのに、絶対に廊下を走っちゃいけない立場の人間なのに、走ってくれた。

結局、私はこういうベタなものに弱いんだろうか。

一方のアキラくんは、同じ状況で言う。

「おれっ、おまえのケガがなおるなら、このチョーク食えるぜ!」

ここにきて、アキラ株の急落が懸念される。もしかして、この男はただのバカなのか。チョークを食べたところで私のケガは治らない。そんなところから教えなくてはならないのか? これは付き合っていく上でしんどい。はじめのうち、私はアキラくんの勢いに魅力を感じていた。しかしここまでチョークを強調されると困ってしまう。

やはり、ツトムくんだろうか。はじめのうち、ツトムくんはキザすぎると思っていたが、廊下を走ってまで、私を助けにきてくれたじゃないか。しゃれた言い回しは照れかくしで、ツトムくんの根っこには、意外とストレートなものがあるのかもしれない。それに、将来的に出世するのも、優等生のツトムくんな気がする・・・。

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