履歴書の提出
人間はパターンにしたがう生き物である。面接官もまたパターンにしたがって質問する。しかし、初っ端でこれだけ予想外のことを連発されると、もはや面接官は混乱のきわみにある。よって、主導権はこちらにある。絶句した面接官に対し、手をパンパン叩いて言えばよい。
「ほら、ボヤボヤしてないで、面接、面接!」
それからウインクする。
「時は金なり、ってね」
遅刻しておいて言うわけである。むこうは動揺をおさえながら、「で、では履歴書を・・・」と言うのがやっとである。すぐに私は指をパチンと鳴らす。
すると、私のしもべが入室して、いそいそと履歴書を運んでくる。自分で渡すのではなく、しもべに履歴書を運ばせるのである。しもべはすぐに退室する。「ご苦労」とだけ言っておけばよい。
ちなみに、履歴書にはカスのようなことしか書いていない。そこでは嘘はつかない。職歴の欄は完全な空白だ。資格の欄には「英検5級」とだけ殴り書きしてある。まさにカスofカスの履歴書である。経歴詐称はダメなのである。態度だけでなんとかするのが今回のテーマだからだ。