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アートディレクターとゲーム【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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『テトリス』(1988年・セガ)

見たことのないアイデアがこんなに鮮やかに登場するとは、と感じたゲームです。ゲームのジャンルがほぼ確立し、アイデアで勝負するゲームが出にくくなりつつあった当時、相当なインパクトでデビューした作品です。全く新しいジャンル「落ちもの」をつくり、その後たくさんのパズルゲームが発売されましたが、オリジナルを超えるものは出てきていません。シンプルなアイデアとデザインは強い、それを見つけることができれば勝てるのか、と思ったことをおぼえています。

『アウトラン』(1986年・セガ)

レースゲームから「順位を競う」という概念を取り払って、アメリカの西海岸から東へとロングドライブをするという新しいコンセプトのゲーム。当時ゲームで“良いキブン”を本気で再現しようとした初めての試みです。

地形の変化が丁寧に描かれた美しいグラフィックがとても印象的で、アメリカ大陸を横断しているようなキブンになります。オープンカーのフェラーリ・テスタロッサの助手席に金髪のオネーチャンを乗せてドライブするという設定で、音楽を3曲の中から選べたり、コースが選べてゴールが5種類用意されていたりと、コンセプトに沿ったゲームデザインになっています。力の抜けた感じがとても好きでした。セガのゲーム音楽はファンが多くて、その後世界初のゲームミュージック“ライブ”バンド、S.S.T.BANDが結成されたほどです。

想像の余地があるない

今のゲームに比べれば画面はショボいし音も貧弱だけれど、それだけ奥にあるストーリーや世界観を想像する余地が残されている当時のゲーム。アイデアとデザインの工夫がキラッキラ輝いていたから小学生の僕はゲームが好きだったんだと思います。今はゲームから離れていますが、またワオ! と思えるようなキラッキラのゲームが出てくるのを待っています。

街角のクリエイティブ ロゴ


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