• MV_1120x330
  • MV_1120x330

【物件選びから見積り比較まで】上手に引越しする方法を教えるよ!

加藤広大 加藤広大


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

hikkosi_eye

引越しについての名言で「引越し! 引越し! さっさと引越し!」という言葉がありますが、この言霊が布団越しにベランダを飛び越えネット上を騒がせたのも、もう10年以上前の話です。時の流れは速いものですね。

で、別に隣のオバさんに急かされたわけではないのですが、この度10年ほど住んだ我が家(事務所兼住居)を半ば衝動的に引っ越すことになりまして、もうてんやわんやです。

職業柄、現在はお盆前進行でして、もう仕事がどえらいことになっているにも関わらず、並行して引越しを進めていたため、毎日躁状態になりながら異様なハイテンションで準備をしているわけですが、短期間に詰め込んだお陰でいろんな知見を得ることができました。

そんなわけで、今回の引越し体験が今後誰かの役に立てばと思いつつ、流れを追いながら実際に使えそうなネタや注意点などを以下にまとめてみました。



物件を探す際のポイント

当たり前ですが、引越すには引越し先が必要です。素敵な新居があればこそ、クソ面倒くさい引越し作業や手続きも耐えられるのです。

今回、時間を見つけてはいろんなサイトを漁りました。せっかくだから洒落乙な建築物に居住したい、夜景を見ながら美女もはべらせたいと「RealTokyoEstate-東京R不動産-」「R-STORE」などなど、物件を見比べ検討してみました。

しかし、洒落乙で癖の強い物件はやはり一長一短であり、風呂どころかトイレまでガラス張りのマンションは少々住み辛いですし、377.29 平米もある元工場にはぜひ住んでみたいと思いましたが、1,436,400円の賃料はさすがに払えません。

結局、時間もなかったので日和ってしまい、10,030歳の緑の化物がキャラクターの業界大手「SUUMO」で、物件の比較検討をすることにしました。

SUUMOで調べていたらいろいろと死にそうになる

SUUMOで調べる際の注意点として、まずは会員登録を済ませるのがオススメです。特に大量の物件を比較、検討する際はお気に入り機能を駆使したいところです。検索条件も保存できるのが便利ですね。


https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/suumo_kensaku.jpg
「SUUMO」物件検索イメージ

サイト内の利用方法などは長くなるので省きますが、本格的に検索をはじめる前に、他サイトも含め、一度冷やかしがてらにいろいろと検索してみるのが良いでしょう。いきなりガッツリはじめようとすると、大量に出てくる同じような物件に精神を削られます。

ちなみに一度、ログインやお気に入り登録せずに、2,000件ほど物件を見て、60件ほどピックアップして一括請求しようとしたら、調度メンテナンスに入り、物件情報がすべて消え去った時は頭の中がオフホワイトになりましたので、これから物件を探す方におきましては、同じ轍を踏まないようにご注意くださいませ。本気で泣けます。

また、あらかた物件出しを終えたらそれぞれの物件を比較して絞り込むことも忘れてはいけません。問い合わせ数は少ない方が吉です。なぜか? は以下の項にて説明します。

そんなこんなで、改めて約60件ほど、問い合わせてみました。

翌日、電話とメールめっちゃ来ました。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/mail_bomb.jpgメール爆撃第一弾

正確には夜中に物件探しをはじめて、朝の7時位に問い合わせを終えたそのすぐ後、一瞬にして自動返信されたメールで、メールボックスが埋まります。そして間髪入れず、各不動産業者から大量の営業メールが届きはじめます。

さあ、ここからが地獄です。各社からの電話攻勢が幕を開けます。3分間隔でかかってくる電話は、まるでオマハ・ビーチに上陸してはミンチにされる連合国軍を彷彿とさせます。もう、まったく仕事も何もできません。一通りの会社からの連絡が終わるまで、ゆうに3〜4時間はかかりました。

しかも、同じ地域、同価格帯の物件を大量に問い合わせしていると、建物名が出ていない物件が多いので、「◯◯の12万5,000円の物件なんですが〜」と言われてもどこがどの物件だか分からなくなり、非常に難儀します。

ただ、辛いことばかりではありません。各社営業マンたちの喋りを聞き比べていると、「こいつは商売上手だな」とか「この人は下手だなあ」とか、話し方や勧め方、質問の仕方など、参考になる営業から反面教師になり得る営業まで、自分の仕事にも使えそうな営業テクニックが満載です。

また、スパムと言ってよいほど届くメールも非常に趣があります。お堅い文章から柔らかい文章、「お前、俺の知り合いだっけ?」と勘ぐってしまうほど馴れ馴れしい文章に、フォントサイズを駆使し、極彩色に文字を彩った古き良きテキストサイトを感じさせる「作品」まで、多岐に渡ります。あろうことかSUUMOのつづりが間違っている業者もいました。このスパムコレクションができただけで、今回の引越しは成功だったと言えるでしょう。

ちなみに、数百通にも及ぶお便りのなかで、最も気に入ったものは、なぜか「マンションの特徴説明でことごとく韻を踏んでくる営業の女性がつづった文章」でした。手前のTwitter埋め込みで申し訳ありませんが、こんな感じです。

しかも、最後の方は力尽きて「ハイツ◯◯ 駅から遠い」とか書き散らしていて、いろんな意味で「いい物件見つけたわw」とひとり笑っていました。この辺りから引越しによる躁状態に突入します。

電話とメール爆撃を防ぐには

すごく雑に言ってしまうと、不動産業者はSUUMOなどに乗っている物件はほぼすべて紹介できます。実際に「他に問い合わせた物件があったら、うちでも紹介できるので教えてくださいね」という営業が非常に多かったです。

なので、ネットを利用して自分である程度物件を絞り込んだら、適当に近場の不動産業者に連絡して「ネットで見つけた物件って紹介してもらえますか?」と聞いてみるのがよいのでは、と今では思っています。大量のメールと電話を捌くよりは、いくらか楽になるでしょう。

おとり物件を求めて彷徨う

「情報まとめて駅前の不動産屋にいけばよかった」と思った時にはもう遅く、大量の電話とメールはその後も続きます。皆さんほぼ、「現在清掃中」「退去予定」を除き

「お問い合わせいただいた◯◯ですが、現在内見可能です」

とお返事いただきました。そうなると、忙しいんだからよしゃあいいのにやりたくなるのが、一時期話題になった「おとり物件」が本当にあるのか? というフィールドワークです。

せっかく引越すのだから、一度くらいはおとり物件に釣られて相手方と揉めてみたいというのが人間というもの。特に気に入った物件を3軒ピックアップして、不動産業者に再度連絡してみました(初回の電話ではすべて一度状況だけを聞き、改めて連絡しますと断りを入れています)。

連絡内容はすべて

「問い合わせした物件なんですけど、今から内見いけますか? 現地集合で」

です。すると、3軒すべて「可」ということでした。もちろん待ち合わせ前に「いやー決まっちゃって、でも他の物件なら」作戦も考えられるのですが、残念ながら今回はすべて内見できました。おとり物件、最近は少ないのでしょうか? 

ちょっぴり不完全燃焼ですが、本題の内見のほうはどれも素晴らしい物件でした。結局、その中の1軒に申し込みをすることと相成ります。

申し込みと契約は余裕を持って

賃貸物件の申し込み、契約の流れはここでは詳しく説明しませんが、申し込みをする際の連帯保証人の確保は早めに動いた方がよいでしょう。これが一番時間がかかります。「連帯保証人になってくれ」とお願いをして、許可をもらったら書類を書いてもらわねばなりません。

私は両親おりませんので保証会社を通したのですが、それでも緊急連絡先が必要です。これは弟になっていただいたのですが、やれ「書類をpdfで送れ」だの「不動産会社が記入したらそのコピーを再びpdfで送れ」など、完全に詐欺前提扱いでして・・・お兄ちゃん、そんなに信用なかったですか?(涙)。しっかりした良い弟を持ちました。

また、審査に落ちてしまった場合はもう一度物件探しからはじめなければいけません。現在の部屋の解約申請をしてしまっている場合、これは大変な痛打となります。入居予定日も計算して、余裕を持っておきたいところです。

その他、フリーランスの場合は確定申告書類の写しを提出させられる場合もあるので、すぐに引っ張り出せるように用意しておいた方がよいでしょう。

契約する際は重説をしっかり聞く。特に特約

無事審査が通ったら次は契約です。全国共通かどうかは分からないのですが、住民票の写しが必要でしたので、時間がある時に取得しておくとよいでしょう。

契約は不動産会社にお邪魔して、重説(重要事項説明)を聞いて判子をつくくらいなのですが、重説はあくびをせずにしっかり聞いておきましょう。興味のない話がつらつらと続いていきますが、契約の際に興味のない話ほどよく聞いておかないと、後で後悔する羽目になります。特に、後ほど詳述しますが「特約」はよくよく確認しておいてください。

引越し業者を探すときのポイント

引越し業者を探すのも、引越しの中での大きなウェイトを締める一大イベントです。引越し料金はあってないようなものですから、なるべく安くて、手際がよくて、丁寧な業者を選びたいのが消費者心理というものです。

で、ネットをいろいろ調べてみたんですが、出てくるわ出てくるわ、どこの会社も賛否両論で、読んでいてもらちがあきません。同じようなフォーマットで作られた総合見積もりサイトへ誘導するページもわんさか出てきます。

SUUMOの一括見積もりサービスですので、ここでもを利用しました。別にSUUMOのまわし者ではなく、単純に検索してすぐ出てきたからです。会員登録もしてましたし。


https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/suumo_hikkoshi.jpg
「SUUMO」引越し業者一括見積もりページ

しかし、今回は物件探し時のように電話攻勢で午前中がすべて潰れるような愚は犯しません。SUUMOの引越し一括見積もりに入力する情報で、電話番号は「任意」です。つまり、電話番号を記載しなければ、すべてメールで連絡がくるのです。

私は「勝った」と思いながら、早速5社ほど見積もりを依頼しました。

送信ボタンを押すと、すぐに簡易的な見積もりが記載されたメールが送られて来るのですが、どれも「◯◯円〜」だったり、「まずは訪問見積もりで」という文言があるのみで、具体的な値段を出してきません。

そんなわけで訪問見積もりの依頼を電話するわけですが、5社くらいなら電話連絡有りでよかったような気もします。この辺りは見積もりを依頼する業者数を鑑みて記載の可否を決めた方がよさそうですね。

1社ずつ来訪していただくのが面倒くさいので、全業者一斉に集めて見積もり合戦でもやってもらおうと思ったのですが、先方の時間が合わず、別々に来ていただくことに。

先鋒は「アリさんマークの引越社」でした。

サカイが本当に勉強してくる

訪問見積もりというのがどんなものかは、私が言わなくても皆さんご存知でしょうが、念の為に申し上げますと、引越業者の人が来て、あれこれ聞いて家の中をチェックし、見積もりを取ったあと、契約するまで居座る。という流れでして、30分〜40分くらいの、非常に面倒くさいイベントです。

先程書いたように、先鋒は当日すぐに来てくれた「アリさんマークの引越社」でした。「アルバイトに「2人以上で飲酒したら懲戒解雇」という誓約書にサインさせる」というアリの体色くらいブラックなニュースが流れたことで有名な大手引越し会社ですね。感じの良い営業マンでした。

結論から言うと、引越し予定日当日が混み合っていてトラックの確保が難しいということで、結構なお値段を提示されました。だいたい、簡単に調べた相場の1.5倍ほどです。値引きもしてもらいましたが、それでも相場より少し高い。なので後日お願いする場合は連絡するという体で、お引き取り願いました。

翌日の一番手、つまり次鋒はパンダのマークでお馴染みの「サカイ引越センター」でした。私、サカイには正直期待してたんですよ。子どもの頃からCMも見てましたし、伝家の宝刀「勉強しまっせ」がついに聞けるのかと思い、わくわくしながら待っていました。来たの、めちゃくちゃ関東の人でしたけど。

Reference:YouTube

これまた誠実そうな、ちょっと喋り方が宗教じみていて、時折虚空を見つめながら営業トークをかますような感じの方でしたが、丁寧に対応していただきました。ちなみにサカイ、契約の可否に関わらずお米が1キロ無料でもらえるらしいので、食い詰めた方はぜひ、訪問見積もりを頼んでみてはいかがでしょうか。

「なぜ無料で米がもらえるのか?」に関しましては、涙涙のエピソードがありますので、サカイの営業マンにぜひ聞いてみてください。

その日、テーブルにこれみよがしに昨日の見積もりと、名刺を置いておいたらサカイの方、すぐに反応してくれまして、一気に戦闘態勢に入っていました。このあたり、商売っ気があって非常に好感が持てます。

勝手に値引きしはじめるサカイ

一通り見積もりしていただきまして提示された金額は昨日の見積より高額でしたが、ここから誰も何も言っていないのに、怒涛の値引きが開始されます。

私、正直言うと「値引き交渉」して楽しみたかったんですけど、有無を言わさずバチバチ電卓を叩き、バンバン金額が下がっていきます。

「ここで30%の値引きをさせていただきまして、しかし! 今回は! お客様のお力になりたいと! わたくし! 頑張りまして! 50%オフで!」

私よりテンション高く値引きしていきます。

「そして! ここをっ! こうしましてっ! この金額が、弊社でできるギリッギリの! わたくしができるギリッギリの! 金額で! ございます!」

何も頼んでいないのに、いつの間にか60%ほど値引きされており、正直この時点で満足がいく金額でした。が、

「ここからは、上席に指示を仰がないといけないのですが、正直、今回お客様がお考えの値段、ご予算と! 今ご提示した金額! 比べていただきますと・・・」

一瞬のための後、手のひらを上下させながら

「アップ? オア ダウーン?」

といきなり英語で上か下か聞いてきたので、これは流石に笑いました。もう、「こんなに面白いなら契約してもいいや」と思ってしまい

「この後も訪問見積もりあるんですけど、もし◯◯円なら全部断って即決して契約します、今」

と言い、非常にわざとらしい上席への確認の後、無事許可が降りたようで、契約と相成りました。

最後まで「勉強しまっせ」は飛び出ませんでしたが、少なくとも家に来ていただいたサカイの方は、非常に優秀だと思います。ネットを見ていても「サカイは値引き合戦になると一歩も引かないので、最後に呼ぶべし」など書いてありますね。これはあながち間違ってはいないのではないかと思います。

引越の際は、ゴミ収集日の確認をお忘れなく

そんなわけで、無事に物件、引越会社も決まり、今怒涛の引越し準備に追われているのですが、ここでもギリギリの時間で引越しする場合の注意点がいくつかあります。

まずはゴミの日を逆算して確認しておくこと。当たり前ですが、引越しではゴミが大量に出ますし、不必要な物を捨てますから、燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ごみなどは引越し日から逆算して、出しきってしまいましょう。

次に、粗大ごみの問題です。粗大ごみは今日頼んで明日回収、というわけにはいきませんから、これも早めに出すものを決めてしまい、申し込んでおきましょう。

このあたりの引越し準備テクニックは、ネットでも散見されますので、いろいろと調べてから余裕を持ってとりかかるのが吉ですね。個人的に今回一番感じているのは、ダンボールはもらってくるより、引越し会社のものを利用した方が便利で、大きさも大小2種類までに統一すると荷造りも荷解きもしやすいという点です。

退去時の立会の前に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を読みこむ

さて、無事に引越しが終わってもろもろの手続き(手続きは省きます。引越し、手続きで検索すれば一覧出てきますので。また、不動産会社や引越会社が手続き一覧表みたいなものをくれます)が終わったら、最後は旧居の掃除や立会、敷金精算、返還です。

そもそも「敷金」とは、雑に言ってしまえばあくまで「預けているお金」なので、原則全額返還されるべきものですが、世の中なかなかそうはいきません。

このあたりはようやく周知されて来ましたが、ぜひ一度国土交通省が発表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を一読してみてください。

ガイドラインに何が書かれているかというと、退去時に起こりうる原状回復をめぐるトラブルを未然に防止するために、裁判例や取引の実務等を踏まえて、原状回復の費用負担のあり方についての基準がまとめられています。

たとえば、「壁紙、カーペット、クッションフロアなどは6年で残存価値が1円となるような負担割合を算定する」と記載されています。これは一般的に敷金が返って来ないと思われがちなタバコのヤニにも適用されます。

このような借主、貸主双方が、どのような場合に、どのような負担になるのか? が詳しく書かれているのですが、すべて書くと糞長い記事が一本出来てしまうので、気になる方はガイドラインを参考にしてみてください。

しかし、ガイドラインが適用されない場合もあります。それが随分前に出てきました「特約」です。契約書に書かれている「○○の費用は借主が負担する」みたいなやつですね。これがある場合はどんなに年月が経っていようと借主負担になる場合があるので注意が必要です。もっとも、無効にする方法や場合もあるのですが、非常に面倒くさいので、入居契約時に必ず確認するようにしましょう。

以上、ざっとでしたが今回引越しをしてみて、改めて思ったり気付いたりしたポイントをご紹介させていただきました。簡単にまとめますと

  • 賃貸総合情報サイトの一括見積もりによる、電話・メール爆撃に注意
  • サイトを見て気になる物件をまとめて近場の不動産屋に行くのがよい
  • おとり物件にはそれほど神経を尖らせなくてもだいじょうぶかも
  • 申し込みと契約には時間的な余裕を持って挑む
  • 重説しっかり聞きましょう。特に特約
  • 引越し業者も相見積もりが必須
  • サカイはマジで勉強してくる
  • 引越し準備はゴミ出し日をキッチリ確認
  • 退去時立会の前に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を一読しておく

 
こんな具合でしょうか。何かのお役に立てば幸いです。ほんまかいな。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP