社会的ステータスだけでは、自分を愛しきれない
社会的ステータスは日々変わります。石油王だって資源安が続けばただの人。弁護士だって試験の難易度が下がれば普通の仕事になります。オーナー社長であっても潰れてしまえば借金持ちです。社会的ステータスに身をゆだねてしまうと、それにつられて自尊心も上がったり下がったりしてしまいます。これでは人生で失敗するたびに自分を愛せなくなってしまい、とてもじゃありませんが天寿を全うするまで心がもちません。
生きるためには、自尊心を社会的ステータスと関係ない部分に作らないといけないのです。社会的ステータスから切り離されたありのままの自分は、たいてい惨めでどうしようもない部分を抱えています。
私も偉そうにいえる立場ではありません。お酒の席で酔って女の子をガチで口説きドン引きされたこともあれば、15年昔には夜な夜なアニメキャラになりきってチャットしていたうすら寒い過去もあります。仕事でもエクセルの行を間違えて計算したせいで数千万円の誤差を出し、ぶち切れた関係者からホワイトボード消しを投げつけられたことがあります。
でも、そんな失敗をしてしまった自分がここにいる以上、この自分を愛してあげるしかありません。なぜなら、世界で一番自分を愛してくれるのは自分だからです。ほとんどの人は他人のために命を投げ出せません。たとえ愛してくれる男性と結婚したところで彼らは平均寿命が短いので、私たちより先に死んでしまいます。一生涯あなたに寄り添って、抱きしめてくれるのはあなただけ。社会的ステータスごときがくれる愛情は、あなた自身の深い愛に比べれば屁ほどの威力もありません。
けれど自己愛をうまく発動させられない人は、自分を大切にしないクセがついていることも多くあります。それを見つけるには、あなたがどこでそのクセをつけてしまったか、探り出す必要があります。これまであなたが幸せな時はどんな時でしたか? どうして幸せを感じたのでしょうか。逆に今までにあった辛い経験では、何がどう辛かったのでしょうか。あなたの中に潜む「自分が愛せない人から愛されたい」という矛盾の背景を見つけられるよう、まずはペンと紙を用意して書き出してみてください。
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