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田中泰延の「エンタメ新党」はなぜ、あんなにも長いのか?

西島知宏 西島知宏


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映画に関する仕事がしたいと思ったことは?

西島 今まで色々伺ってきて、改めて泰延さんの映画に対する愛情と知見の深さを感じることができました。ここまで映画に対する「目」を持っているのであれば、映画の仕事に就こうと思ったこともあるんじゃないですか?

田中 ないです。

西島 どうしてですか? 私なんかは、好きなモノが見つかったら、どんな手を使ってでも自分の仕事にしたいと思ってしまうのですが・・・。

田中 たぶん自分の生き方が「流されて生きている」からでしょうか? 以下のツイートでもわかると思うのですが、基本的に無駄なことはしたくない。

西島 映画を作らないのは、自分より「映画を作ること」において優れている人がたくさんいるし、自分を客観視してそこを目指す理由がないと?

田中 『キング・コング』の話に戻りますけど、子供心にも、こりゃどう考えても作るのは大変だろうと(笑)。あと、僕、悲しいことに広告の仕事に就いたら広告を見なくなってしもたんです。だって、しんどさが全部わかるじゃないですか。パン屋さんもパン食べなくなるんじゃないんですか。少なくとも無責任な楽しみのひとつではなくなるんじゃないかと。

西島 確かに無責任では見れなくなりますね。では、映画コラムの依頼を受けて下さったのはなぜですか?

田中 面白い映画評がなかったんですよね。もちろん、面白い映画評を聞かせてくれる人、書いてるはいらっしゃって、たとえば町山智浩さんとライムスター宇多丸さんは、最高です。僕、宇多丸さんの映画評で何回泣いたかわかりませんもん。みうらじゅんさんも最高です。でも、そのほか無数にいる映画評論家と称する人は、けっきょく映画会社の宣伝をしていたり、あとは、上から目線でものを言ってたりするのがなんかやだなぁ、と。あと、今はみんな映画の感想をネットに書けますからみなさん観たらすぐ書くんですけど、これがもうもうほんとにひどいことを平気で書いてたりして、悲しかったんですよね。まずは、映画ってのはわかんないものを初めて観るわけなのに、その地点に立って一緒にものを考えてくれる人が少ないなぁ、と。それから、感動したらなぜ感動したと人に伝えないのか。共有しないのかってよく思うんですよ。こんなに伝える手段が発達した世の中で、上から目線で悪口を吐き捨てる人が多すぎる。僕、子供の頃、荻昌弘さんのロッキーの解説をテレビで聞いて、映画と同じように熱い、いや映画より熱いと思ったんですよ。ぜひ聞いてください。人様が一生懸命作った映画を見せてもらって最高だったら、せめてこんな風にだれかと叫びたいなぁと思うんです。

Reference:YouTube

西島 確かに泰延さんの映画コラムと同じ「温度」を感じますね。映画というフィルターの向こうに本質があって、それをちゃんと見れているというか。いやぁ、楽しかったです。ありがとうございました。これからもエンタメ新党、よろしくお願いします。

田中 こちらこそ、よろしくお願いします。

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