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田中泰延の「エンタメ新党」はなぜ、あんなにも長いのか?

西島知宏 西島知宏


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人生で初めて見た映画は?

西島 月並みなんですが、映画との出会いについてお伺いしても良いですか? 人生で初めて見た映画とか?

田中 1番はじめに見たのは1976年の『キングコング』だったと思います。とても衝撃的な体験でした。『キングコング』を見て、現実と違う世界が広がっている。これを作っている人達がいるんだ。そう思いました。

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西島 1976年と言えば、7歳。小学校2年生ですよね。

田中 そうです。

西島 その歳だったら普通、ただ「面白い!」とハナを垂らしてるだけだと思うのですが、そこで「現実と違う世界が広がっている」と思うところが感性豊かですよね。

田中 最初に観たのが『キングコング』だというのが大きいと思うんです。これが恋愛映画だったり、人間ドラマだったりしたら、現実と映画の区別がつかないと思うんですよね。でも、どう見回してもあんなでかいゴリラが街を壊した話とか聞かない。すると、これは作り物なんだ、きっとすごい数の人がこの作り物に関わってるに違いない。「じゃあ、何のつもりで現実にはありえない世界を作ってるんだ?」と子供心にもそう思ったんです。

西島 なるほど、面白いですね。リアリティがない所に逆にリアリティを見出したんですね。すごい小学2年生ですね。お兄ちゃんのピアノ教室について行って先生のスカートの中を覗いていた自分が恥ずかしいです。

マイベストSFムービーは?

西島 これまた、ベタな質問で恐縮なんですが、泰延さんのマイベストムービーは何ですか? できれば、『岩井俊二のムービーラボ』的に、SF、アクション、ラブストーリーなどジャンル別に頂けると嬉しいです。

田中 SFだとやはり『ブレードランナー』ですかね。

西島 やはりそこですか? 理由を聞かせて頂いてもいいですか?

田中 『ブレードランナー』の凄い所は、こういう世界が一分の隙もなくあると思わせてくれることです。さっき、現実にはありえない世界を見せてくれるのが映画、と言いましたけど、『ブレードランナー』は、微妙に今ある世界と地続きなのに、全く違う。すると、現実の方が映画を模倣しているように見えて、街を歩くのが楽しくなったんです。僕、大阪の子供でしたし、雨の降る夜は特に、大阪の街が『ブレードランナー』の世界にすごく近づくんですよ。リドリー・スコット監督も、大阪の街を強く意識したようで、のちに『ブラック・レイン』では本当に大阪の夜景をロケしちゃいましたね。で、僕が感じた倒錯感というか、そういうのは合ってたんだと。

西島 確かにブレードランナーの凄い所は、いわゆる作り込みの凄さというか、何年経って見てもまったくチープに感じないクラフトワーク、アートディレクションですよね。「この地球のどこかに、この街があるんだ」そう思わせることで、現実ではありえない設定がリアリティを持って迫ってくる。

マイベストアクションムービーは?

西島 マイベストアクションムービーは何でしょう?

田中 『ベン・ハー』ですね。

西島 やはり、伝説の大戦車競争のシーンですか?

田中 それもあるのですが、『ベン・ハー』はあらゆる映画の中でも最高峰の一本だと思います。家族、友情、民族、個人、国家、憎しみ、赦し、差別、イエス・キリスト、そしてアクション、こんなすげえもん、もう人類の歴史の中でできないんちゃいますか。100回は観ています。どこか地方の映画館で上映されると聞くと行きますもん。テーマ音楽がかかると2秒で泣きますよ。とにかく観てくださいとしか言えません。

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