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オデッセイ【連載】田中泰延のエンタメ新党

田中泰延 田中泰延


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I WILL SURVIVE

映画「オデッセイ」

 
ふだん広告代理店でサラリーマンしてる僕が、もっと働きゃいいのに映画や音楽、本などのエンタテインメントを紹介していくというこの連載、「かならず自腹で払い、いいたいことを言う」に徹しています。なのでネタバレも満載です。どっちかというと観てから読んでくださった方が話のタネになる、そんな内容です。だからといってさすがの僕でも「シックス・センス」と「ユージュアル・サスペクツ」の話だけはしません。安心してください。そもそも「シックス・センス」のラストは・・・危ない誰か止めてくれ。
 

さて、もう毎度の前置きになってしまいましたが、連載と言ってるわりには前回からまたまた時間があいてしまいました。何もしてなかったわけじゃないんですよ。正月ですから餅を焼いたり餅を食べたりして太っていたのです。
 

ですが、このサイトの編集長からはプレッシャーをかけられていました。

ああそうですか。そうですかハイハイ。ですが、人からなにか言われたからといってその通りにするのは自主性のない人間です。もちろん、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は言われなくてもとっとと観に行っているのです。しかも2回です。当たり前じゃないですか。何年待ったと思うんですか。
 

「スター・ウォーズ」の話なんていまさらですし、もう世界中の人々が語って語って語り尽くしているのでもはや言うことはありません。かといって逃げたと思われるのはシャクなので凝縮して書いておきましょう。編集部の小野さん、サラッと行きますのでここはハコ組みでお願いします。

「スター・ウォーズ」を「SF」と呼ぶ人は基本的に間違い。あそこに出てくる宇宙は、「舞台の書き割り」だと思ってください。この映画は、最初から「スペース・オペラ」です。「SF」という場合でも、「サイエンス・フィクション」じゃなくて「スペース・ファンタジー」でしょ。映画自体はとっても楽しめた。楽しめたけど1978年に最初の「スター・ウォーズ」を映画館で観て以来のファンとしては、(これが初めて観る「スター・ウォーズ」だという人にとってはどうなのかな?)がめちゃくちゃ気になってしまい、なかなか集中できませんです。色々気になったあげくに若い人に「そもそもスター・ウォーズっちゅうのはな・・・」と上から目線で語るダメオヤジになる可能性があるのでうっかり口を開けない。ディズニー映画になって、20世紀FOXのファンファーレがないのは痛恨。ジョン・ウィリアムスはあの変ロ長調のファンファーレに繋がるようにわざわざ変ロ長調でテーマ曲を書いたのにぃ。監督のJ.J.エイブラムスは「ミッション・インポッシブル」に「スター・トレック」にスピルバーグオマージュの「スーパー8」、そしていよいよ「スター・ウォーズ」、ほんと、二次創作しかしてないスゴい人。だからこそこの映画は「スター・ウォーズ」ファンにガタガタ言わせない二次創作としての【完璧なファン・ムービー】とも言える完成度を確保。その完成度は、ズバリいってみれば【昔のロックバンドのめっちゃ上手なカヴァー・バンド】。でもコピー・バンドじゃなくて、アレンジ変更も巧み。ストームトルーパーのデザインひとつとってもよく見りゃ違うアップデート。カヴァー・バンドだけどここぞというヒット曲を演奏するときには舞台の袖から往年のオリジナルメンバーが出てきて一緒に演奏。それが今回の真の主役ともいえるハン・ソロことハリソン・フォード。「ヨッ! フォード屋!」と大向こうから声掛かりそうな大見得切って、退場もこれまた鮮やかだけど、そのへんはまだ続きがあるんでしょう。聞き飽きましたが「スター・ウォーズ」は神話的だと言われる。その「神話」に頻出する「父殺し」のモチーフはかなり簡単に挿入。︎続編つくるにあたって日本のアニメのやりかたは参考になったに違いない。J.J.日本大好きですから。ガンダムの続きのΖガンダムの始まり方にクリソツ。ファ・・・ファースト・オーダー? 帝国じゃないけど帝国なのは「ティターンズ」。共和国なのに共和国じゃない「レジスタンス」なのは「エゥーゴ」。それぞれメカは引き継いだもの使ってますし、レイアはまだ現役で局地戦やってるブライトさんだし、どこかで隠遁してるルークはあれアムロでしょ、といったらガンダムファンは似過ぎにびっくり。もちろん性格がヒネくれた仮面の男は欠かせませんよ。主人公レイは誰の子なんだって話は最初からヘルメットがあるじゃないですか。でもはじめからみんな「血筋」「遺伝」の話になっちゃってて、ひとり関係なさそうなフィンに期待するしかない。これも聞き飽きましたけど「スター・ウォーズ」が東洋的だと言われるのは「ジェダイ」に至るまでの「修行」「修練」の物語だから。何者でもなかった若者が師に出会い、「素質」はあったにしても、後天的な「修行」「修練」によって人格と能力を獲得し、時代を塗り替えていくという骨格がミソでした。それが今回はいきなり「遺伝」「世襲」の話にすり替えられてないか? どうなの? が今後のシリーズのポイント。しかしレイを演じるデイジー・リドリーはいいですね。凛とした美人で。なんだかんだ言ってじゅうぶん面白かったよ、面白いよ、でもそもそも「スター・ウォーズ」っちゅうのはな・・・ 

え? もういいですか? ほんとはこれだけで7千字くらいに水増しできるんですけど、話してるうちにやっぱりイヤなオヤジになってきましたので今日はこのへんで勘弁しといたろか。ああ疲れた。では、次回をお楽しみに。
 
ではなく、今回は映画「オデッセイ」について話します。
 
最初に言っておきましょう。2016年の映画でダントツのナンバーワンです。間違いありません。なんといっても今年はまだこれしか観ていないのです。ナンバーワンです。予告篇をご覧ください。

Reference:YouTube

あのね、まだ観てない人にハッキリ言います。この予告篇・・・全然違いますから!! 過酷な運命、襲いかかる惨劇、苦悩する人類、涙の別れ、・・・に見えるでしょ。デタラメですから!! 僕、この予告篇みて行ったもんですから、「思ってたのと違う」度はすごかったですよ。いい意味で。
 
ほんとに全然違うんですよ。この映画は、アカデミー賞に作品賞、主演男優をはじめとして7部門でノミネートされてますけど、それに先立ってゴールデングローブ賞で最優秀作品賞と最優秀主演男優賞の栄冠に輝きました。ええ、コメディ/ミュージカル部門でね。

監督は巨匠、サー・リドリー・スコット。


https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5c/Ridley_Scott_by_Gage_Skidmore.jpg/220px-Ridley_Scott_by_Gage_Skidmore.jpg
出典:Wikipedia

 
御年78歳、「エイリアン」「ブレードランナー」「グラディエーター」・・・もう名作、傑作、挙げていけばキリがないですよね。ちなみに、よく訊かれるんですけど、僕の映画オールタイムベストワンは、「ブレードランナー」です。
 
主演は、言わずと知れたマット・デイモン。別に説明いりませんわなあ。


http://1.fotos.web.sapo.io/i/B330617e4/18460333_C1l3E.jpeg
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

 
火星で置き去りにされてひとりぼっちで生き抜く男、マーク・ワトニーを演じるわけですけど・・・あれ? どこかの惑星でひとりぼっちって、この人、やってませんでしたか?


https://3.bp.blogspot.com/-dBgCUIP_6UA/VWDw31pGhPI/AAAAAAAD00Y/W-qB0n7ZHJE/s640/Interstellar-Matt_Damon.jpg
(C)2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 
思いっきりやってました。クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」です。それもついこないだ、2014年の映画じゃないですか。まぎらわしい、というかもうこれは狙ったキャスティングですね。「インターステラー」のマット・デイモンは、ひとりぼっちで遠くの星で待ってて、来てくれた人に意地悪するひどいやつだったんですけど、今回の「オデッセイ」は違います。いいやつです。最高にいいやつです。「オデッセイ」は悪者がひとりも出てこない気分のいい映画なのです。
 

お話は、あっという間に始まります。上映開始から主人公が火星に取り残されるまで、たったの5分です。有人火星探査ミッション「アレス3」のチームは、火星で猛烈な砂嵐に遭遇し、主人公ワトニーの脇腹に尖ったアンテナが直撃、ワトニーはクルーとはぐれてしまいます。
砂嵐が激しくなる中、ジェシカ・チャスティン演じる船長のルイスは捜索を断念して泣く泣く他のクルーと共に火星を脱出します。
 
しかしワトニーは生きていました。ベースキャンプまで戻り、自ら傷の手当をするワトニー。痛々しいシーンです。みんな地球に帰りました。死んだと思われたのです。宇宙船はもうそこにはありません。基地はありますが、食糧はわずかです。たったひとりです。絶体絶命です。なんて悲惨な、なんて絶望的な・・・ワトニーは記録用のビデオカメラに向かい、話しかけます。
 

 
サ〜〜〜〜プラーーーーイズ\(^o^)/


http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/02/044.jpg
「オデッセイ」予告篇

\(^o^)/死んでると思った?
 
生きてるぴょ〜ん! まじビビった? やっほい♫

 

さあここから物語は一気に転調です。植物学者でもある宇宙飛行士のワトニーは、その知識を生かし、残された食糧のジャガイモと乗組員が残したアレで栽培を始めます。生きるためひとつひとつの問題を解決してその過程をビデオに記録するマット・デイモンの独り言。それがもう、まったくふざけっぱなしなんですよ。冗談しか言いません。悩んだり泣いたりわめいたりしない。荒野で生き抜くために即座に状況に対応して、いちいち悩んだり泣いたりわめいたりしない、って「マッドマックス 怒りのデスロード」の登場人物たちにも通じるものありますね。

 
「主人公に悲壮感無さすぎる」という意見もありますが、僕、宇宙飛行士の古川聡さんの本を読んだことあるんですけど、

https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Cym-ru78L.jpg
古川 聡(2013年)宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方 マイナビ新書

 
宇宙飛行士というのは、「順序立ててものを考え、時間内に問題を解決する」プロなんですね。「悩み嘆く泣き叫ぶ」なんて対応は脳のプログラムから削除されてる人種なんですよ。
 

ワトニーはとにかく毎日育てたポテトをチンして生き延びます。「火星ひとりぼっちでポテトをチン」に対して「家庭ひとりぼっちでポテトをチン」して生き延びている僕はもう、親近感しかありません。
 

だいたい「オデッセイ」ってこれ、例によって邦題なんですよね。原題は「The Martian」。「火星の人」ってタイトルですよ。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41ohGCRSBcL._SX327_BO1,204,203,200_.jpg
Andy Weir(2014年)The Martian Crown

 
アメリカのSF好きの作者、アンディ・ウィアーがネット上で連載、ネット民に評判が広まりベストセラーになり、NASAまでノってきて映画まできちゃったんです。
 
「オデッセイ」というのは古代ギリシャの詩人ホメロスの作とされる、英雄オデュッセウスの放浪の旅を描いた一大叙事詩ですね。日本版予告篇もそうですけど、なんかすごい悲壮な感動巨編みたいな宣伝、ほんとに何考えてるんでしょう。別の乗組員の妻子とワトニーのカットを編集して主人公に離ればなれの家族がいるかのようにお涙頂戴を誘ってます。インチキですねえ。
 
それに対してマーシャン、というタイトルはニュアンスとしては、「火星の人になっちゃった人」ぐらいの軽い意味です。そこをふまえて原題の映画ポスターをみると・・・


http://www.generacionfriki.es/wp-content/uploads/2015/10/MARTE-THE-MARTIAN-PORTADA.jpg
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

 
ほら、マット・デイモンの顔、ちょっと困ってる程度に見えてくるでしょう。これはどうやら明るい話ってことが最初からわかるんですよ。
 
「オデッセイ」なんて悲劇的な題名じゃなくて、マーシャンのほうがよっぽどいい。邦題をつけるなら、火星で明るく放浪する物語、「マーシャン放浪記」のほうがよっぽどふさわしい題名です。
 

でも悲壮感溢れる前宣伝をしておきながら、この映画の宣伝チームは、公開後は一気にネタバレかましてきました。なかなかにしたたかです。そうです、彼らが次に掲げてきたキャッチコピーは、「火星DASH村」です。
 

「ジャガイモを作る? じゃあ土からだな。いやその前に、水はどうする?」まさに鉄腕DASHです。城島リーダーの声が聞こえてくるじゃないですか。あるなら使う、ないなら作る。生き抜くというのはそういうことなんです。
 

リドリー・スコット監督は、この映画から、ありがちなお涙頂戴の要素を全部切り捨てました。主人公ワトニーには家族も恋人もいなさそうです。ただただ、生き延びるプロとしての姿を描くことで映画を面白くする、この割り切りと力量のすごさ。これを日本で作ったらきっとワトニーの奥さんに子供、さらには奥さんのほかにベッキー、挙げ句の果てにはやぶさとかまで出てきてきっとわけがわからなくなるのです。
 

映画は、ひとつづつ問題を解決して生き抜くワトニー、そのたびごとにふざけきった独り言を連発するワトニー、その姿が続きます。ここで重要なのは、この「笑いながら問題を解決する」ことは、「コメディ」の本質だということです。コメディは、たいてい主人公にとっての逆境から始まります。現実は愉快なことばかりじゃありません。でも生き抜くためには笑いこそ武器なんですよ。生き抜くために笑い、問題を解決してハッピーエンドを迎える、それがコメディじゃないですか。
 

そしてこの映画はコメディであると同時にもうひとつの背骨があります。ミュージカルです。ワトニーが生存していることをNASAも気がつきます。「彼はいま、どんなに死にそうな思いをしているだろうか」と地球では心配します。一方その頃ワトニーは「死にそうだ! 船長の置いていった音楽の趣味が最悪で!!」
 

これこそがこの映画を最高にノリノリにしてる要素です。70年代から80年代初頭のディスコ・チューンが炸裂します。それはその時その時の主人公の心情や状況を表しているんです。それらの歌はBGMじゃなくて、歌詞が物語の重要な要素なんですよ。だから字幕版でも吹き替え版でも、「歌詞が出ない」ことが非常にもったいない。僕はそのころの音楽のファンなんで、いちいち劇中でかかるたびに「そうきたか!」「これしかないわ!」と喜んでいたんですけど、わかんないとちょっとほんとにバカ音楽が鳴りまくるようにしか聴こえないですよね。

 
たとえば最初に置き去りにされたときにはセルマ・ヒューストンの『Don’t Leave Me This Way』。

Reference:YouTube

「置いてかないで〜♫」って歌なんですよ。爆笑ですよ。
 

プルトニウムで暖房して暑くなりすぎたらドナ・サマー『Hot Stuff』。

Reference:YouTube

「熱いのが欲しいの♫」みたいなバカノリですよね。
 

こんな感じで、全編ストーリーと歌詞がリンクしてるんですよ。で、なかでも先頃亡くなったデビッド・ボウイの「スターマン」が、唯一、最初から最後までかかります。

Reference:YouTube

リドリー・スコット監督の長年の友人でもあったボウイ。彼は「宇宙から来た男」としてたくさんの歌を作りました。そして彼はいま宇宙へ帰っていきました。彼の歌う「空でスターマンが待っている」・・・号泣でしょう。

 
そしてグロリア・ゲイナーの『I Will Survive』。

Reference:YouTube

「私は強くなった 私は学んだ 私が死ぬと思った? 私は生き抜く」
 

音楽がスタイリッシュに全編を彩り、歌に心情を語らせる。これ、ある映画監督のスタイルじゃないですか。偉大な映画監督リドリー・スコットには偉大な映画監督の弟がいました。2012年に惜しくも自ら命を絶った、トニー・スコットです。『トップ・ガン』『トゥルー・ロマンス』『ドミノ』・・・音楽が全編に鳴り響き、物語の進行の柱となるそのスタイル、僕、この「オデッセイ」はちょっとリドリー・スコットっぽくないなぁ、と思ったんですけど、トニーに捧げるオマージュなんじゃないかとふと気がついて、ノリノリになりながら少し泣いてしまいましたね。
 

亡くなって遠くへ去った人、いまここで生きていく人、思いを巡らせるとき、神というテーマが浮かび上がってきます。それは人間が宇宙を想うときに避けては通れないものです。「いつも地平線を見ている。それしかないから」・・・主人公は毎日、その日やるべきことをやり終えると、火星の雄大な夕焼けに向かって座ります。人間は、宇宙の中でポツンといます。
 


それは神と人間、あの世とこの世を示すカットですね。長くなるので今回は書きませんけど、 ワトニーがクルーの持ち物の十字架を燃やしてしまうシーン、世界中が祈るというシークエンス、死んだと思われた男が復活するという物語、ワトニーが脇腹を貫かれ、最後は手に穴を空けて復活するラスト、まぁ、「2001年宇宙の旅」「コンタクト」「ゼロ・グラビティ」「インターステラー」と、宇宙を考えることは神を考えることなんですよね。それはまたいつかうんざりするほど長い原稿書きます。

さあ、いよいよ生還の時です。船長も、クルーも、地上の人たちもいい仕事します。主人公、死ぬわけないじゃないですか。中国が手助けするのが中国市場におもねったハリウッドの姿勢だという意見は的外れです。原作からもともとある設定ですし、これが宇宙開発の現状なんです。ただ、物語としては、最初は協力を拒絶した中国が最後にカッコよく登場する展開にした方が泣けましたね。もったいない。追加撮影して、僕にそのパートの監督させてください。スコット卿からのオファー待ってます。
 

ラストでワトニーが宇宙飛行士候補生たちに言います。

「物事が悪い方に向かう。

終わりだと思った時に、諦めるか、闘うか。よく考えて、問題を解決する。
一つ解決し、次の問題も解決する。そしてまた起きる問題も一つずつ解決する。
諦めずに全部乗り越えたとき、君は家に帰れる」
 

あ、細かい注文すると、草の新芽をみつけてジャガイモを思い出したあとに、この話をするんですけど、ここは順番逆に編集してくれたら、「フォレスト・ガンプ」の鳥の羽根ぐらい泣けたと思うんで、僕に編集やり直させてください。スコット卿からのオファー待ってます。
 
 

実は、正直に言うと僕、なかなか次の映画評を書く勇気が持てませんでした。この年末年始、次から次へと忘年会は襲いかかってくるわ、忘年会を解決しても、すぐに新年会も発生するわ、いつ映画を観る時間があるんだよ・・・。と書かない理由を千個ぐらいならべて餅を焼きながら太っていたんですけど、今年初めてこの映画を観て、湧き上がるような勇気をもらいました。この楽しさを誰かに伝えたいと思いました。この映画は間違いなく、今年1本しか観ていない映画の中のナンバーワンです。しかも忘年会も12月ぐらいまでありません。大丈夫です。
 

予定調和、いいじゃないですか。嫌なヤツがでてこない映画、そんな話もあっていいじゃないですか。真っ正面から人間讃歌、いいじゃないですか。笑おうじゃないですか。歌おうじゃないですか。そうして、過酷な火星だろうがさらに過酷な家庭だろうが今日も生き抜こうじゃないですか。なんにでも文句をいう人、いじわるな人、悩み嘆き泣き叫ぶのが好きな人にはもううんざりです。誰かから勇気をもらって、誰かに勇気をあげたくないのか。僕は単純なんです。
 

ひとつづつ解決する。続ける。居場所を作る。やらない理由は千でもあります。やる理由はひとつだけ、生き抜くためです。みなさんあけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいしますね。

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