出版エージェントと編集プロダクション
西島 「出版エージェント」というのはどういうものなのでしょうか?
稲川 出版エージェントというのは、出版社へ著書を紹介したり、先程言った「出版社の色」や受けそうなテーマ、企画書の書き方などを教える人ですね。
西島 その人たちはどうやって生計を立てているんですか?
稲川 本を出したい人を集めてセミナーを行ったり、出版までこぎつけた場合は印税を割ったりという感じですかね。
西島 印税を割る? なんかお金の匂いがプンプンしますが、どの程度の割合で割るんですか?
稲川 ケースバイケースですが、折半とか、著者が60%とかですかね。
西島 編集プロダクションとはどこが違うんですか? 編プロも同じような役割を担っていると思うのですが。
稲川 編プロとの違いは、著作物の内容に立ち入るか立ち入らないかという所ですかね。編プロは実際、私がやっているような編集や装丁をやることもあります。
西島 編プロは本のデザイン費とか、いわゆる制作費で売り上げたりする感じなんですよね?
稲川 そうですね。関わり方にもよりますが、制作費で売り上げを立てる場合もあれば、印税を割る場合もありますし、両方やる場合もあります。
出版セミナー
西島 「出版セミナー」というのは、どういったものなのでしょうか?
稲川 出版社が主催するセミナーですね。本を出したい人たちを集めて講義をします。
西島 先程出ていた「出版社の色」などを伝えつつ、企画書の書き方などをレクチャーする感じですか?
稲川 おっしゃる通りです。採用される企画書や、目次、プロフィールの書き方などを教えます。
西島 出版セミナーから実際出版にこぎつける人はどれくらいの割合なんですか?
稲川 そうですね。1回のセミナーに400人くらいの応募があったとして、10人いれば良いくらいの感じでしょうか。
西島 10人? 以外と多いですね。2〜3%ってことは電通の内定率より高いです。
稲川 400人がすでにかなり意識の高い人ですからね。
西島 就活のために本出したいです! みたいな学生の人はいないんですか?
稲川 いないですね。ほとんどがビジネスで実績を積んでいる人です。