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おもしろい人間は、おもしろく問題を解決できる人間じゃなかった

西島知宏 西島知宏


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こんにちは、鏡竜太郎です。2016年2月6日(土)、私の思考法をまとめた『思考のスイッチ 〜人生を切り替える11の公式〜』が、フォレスト出版より発売されます。

そこで、せっかくなので、出版のきっかけになったこの街クリで、本とは別の「思考」の話をしようと思います。テーマはこれです。

おもしろい人間は、おもしろく問題を解決できる人間じゃない

私は2003年、広告代理店の電通に入社し、希望通りクリエーティブ局に配属されました。正直、初めは仕事をなめてました。「自分よりおもしろい人間はいない」と本気で思っていたので、すぐに仕事には慣れ、広告をバンバン作れると思っていました。

しかし、いざ仕事が始まると何か違う。おもしろいことが考えられない。企画も通らない。どうしてだ? 学生時代はあんなにチョロいと思っていた仕事が全然チョロくない。むしろ苦痛だ。正直それまで自分の感性を否定されたことがなかった私は、かなり病んでいました。しかし、「作ること」と同時に「分析すること」が大好きな私は、ここから「自分がなぜイケてないのか」について原因究明を始めました。どうして「おもしろいはず」の自分が、広告クリエイターとしては「おもしろくない」のか? どうすれば「おもしろく」なれるかについて。

しばらくして、自分が「おもしろくない」原因がわかりました。原因は「一般生活上のおもしろさ」と「広告の仕事上でのおもしろさ」の違い、でした。具体的に言うと、「お題があるか、ないか」です。つまり、広告クリエイティブにおける「おもしろい人間」とは・・

「おもしろいことを考えられる人間」ではなく、「おもしろくお題を解決できる人間」のこと

だったのです。つまり、私がイケていなかった理由はただ1つ。

「おもしろい人間」ではあるかもしれないが、「おもしろく問題を解決できる人間」ではなかった

わかりにくいと思うので、例を出します。お笑いの頂上決戦「M1グランプリ」や「キングオブコント」は「おもしろいこと」の対決です。「おもしろいこと」こそがすべてと言ってもいいお笑い芸人の皆さんは、テーマや、モチーフ、テクニックを使い「おもしろいことだけ」を追求します。下ネタであろうが、誰かをdisろうが、OKです。

一方で広告の目的は「おもしろくなる」ことではなく「商品を売る」「ブランド認知を高める」です。いくらおもしろくても、商品が売れなかったり、誰もそのブランド名を覚えていないと、意味がありません。

はじめは絶望しました。「やばい、完全に勘違いしていたぞ!」と、頭の中が真っ白になりました。大学院時代理系にいた私は、同級生がメーカーや研究職に進んでいくのを横目に、「何かで1番になりたい」そう思って、ほぼそれまでの学習が意味をなさない、クリエイティブの道に進むことを決意しました。甘っちょろい言い方をすると自分の才能を信じていました。しかし、自分が持っていた刀が、まったく斬れないことを思い知らされてしまったのです。

街角のクリエイティブ ロゴ


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