LINEをめぐる攻防
「そろそろ帰らないとじゃない?」
と言い出したのは男性陣。帰りの合図を言い出すのが男性な時点で、正直この相席居酒屋合コン、負けでございます。女性の終電を逃させたいなんて微塵も思わなかったということですから。それに、われわれも無理やりランニングの話題で盛り上げたものの、そのほかの話題で沈黙が続くわ否定が続くわで、「正直ない」というのが感想でした。
分かりました、お会計しましょう!
とはいえ、相席居酒屋は女性が無料というルール、お会計をするのは男性だけです。できればこの隙に逃げたい走りたい帰りたい!
あ、帰る前にLINEの交換だけでも。
ここまで盛り下がっておいて、なんでLINE交換したいんだろう。私には男心が判りません。絶対に2人そろって連絡先を交換するのは、ない。私か友人、どちらかが犠牲になるしかあるまい。ちらりと友人を見つめると、小動物みたいな目でふるふるとこちらを見つめています。あー、友人からのテレパシーが受信できました。「私にLINE交換させないで、お願い交換させないで」
YES、君の心の声は聞こえたぞ、確かに。
あ、じゃあ私がまとめて交換します~~! 後でグループLINE作るんで!
相手に二の句を継がせまいと、超スピードで連絡先を交換してから、お会計の列をすり抜けるようにして帰宅しました。LINEには社交辞令のありがとうを送っていますが、その後グループチャットは未成立! むり!