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はるのんビ〇ギャル!? 後編【連載】現役女子就活生の翻弄されまくり日記

はるのん はるのん


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そして、合格発表当日。

本当はよくテレビなどで目にするような掲示板の前で受験番号を追っていくという経験をしたかったんですが、インターネット上での発表ということでガラケーを握りしめ時間までしばし待機。一人でベッドに座り込み、合格発表時間が5分くらい過ぎたころにようやくガラケーをネットに接続。

ドキドキしながら受験番号を打ち込み、「結果を表示する」のボタンを目を薄めにしながら押し、表示が切り替わるのを待ちます。その瞬間はまるで世界に自分しかいないくらい静かに感じられ、3秒が1分くらいに感じられました。ドラマみたいに。

薄めにした目をゆっくり開けていくと、ピンク色が目に入り、それがサクラの花だということに気が付きました。

その数秒後、合格という文字を目にした私は真っ先に母に報告し、一緒にキッチンで喜びの舞を踊りました。それからニラ玉メールへの感謝の気持ちも伝えました。

そんな喜びの舞を高校でも誰かと踊ろうと思い、学校に向いました。通学するよりもちょっと遅めの時間のバスに乗りこみ、なんの気なしにぐるっとバスの中を見渡すと見覚えのある横顔に思わず叫びそうになってしまいました。

なんと再び王子に遭遇したのです。

バス事件(詳しくは前編をご覧ください)以来、もう絶対脈なんてないんだから諦めよう。とにかく私はE判定から脱出すると同時に片思いからも脱出するんだと決心し、吹っ切れたつもりでした。しかし、再会できたことにすらちょっとドキドキする自分がいました。なんなんだ! わたしはバカか!

その日王子は、初めて見かけた日と同じように一人で携帯をいじりながらバスに揺られていました。あなたがきっかけで私大学受かったよ、とか、結局どこに進学するんですか、とか話したいことは山ほどあったけれど、心で散々な葛藤を繰り広げながらもチキンな私は結局何もできませんでした。『しょうがない』と自分に言い聞かせ、私はバスを降りました。バスの扉が閉まって出発した後、もう王子のことはさっぱり忘れようと再び心に決め、学校に向かいました。

そして高校への報告も終わり、私はなんとなく手持ち無沙汰な日々を送りながら、だんだんと受験勉強をしない日々に慣れていきました。再び以前のような、自由でぐだぐだな日々を送るようになりました。

そんな楽しくもゆるすぎる春休みは一瞬で過ぎ去り、満開の桜が咲く入学式の日がやってきました。

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