ある日の帰りのバスに乗っていると、向井理似の男の子(以下:王子)と同じ制服を着た超絶かわいいJKが一緒に乗ってきたのです。しかも、隣同士で仲良くしゃべっている二人の手元には、『慶〇義塾大学』の赤本。
ああ、おわった・・・強敵すぎる・・・
私はあまりにもショックすぎたので、降りるべきバス停を通り過ぎて終点まで行ってしまいました。私はこの先どうやって生きていけばいいのだろう・・・周りは受験モードに入っているなかで、すべてを王子に捧げた私のJK心はボロボロになりました。
もう王子なんてどうでもいい! もうやだ! もう恋なんてしない! 世の中、一体どうなっちゃってんだよお!
この歌が私の頭の中に流れていました。
Reference:YouTube
しかし、どうしても目に焼き付いて離れないものがありました。それはあの王子の顔でも、あのかわいい彼女のポニーテールでもありません。
二人の手元にあった、赤本です。
なぜか、私の脳裏にはあの真っ赤な色に黒い文字で書かれた大学名がこびりついていました。きっと、どうしようもない自分との格差を感じてしまったんだと思います。物理的には2、3歩あるけば触れられるくらいの近距離なのに、実は自分とあの二人の間には人生レベルで差があると感じてしまい、愕然としました。これが、“教育格差”ってやつか。なんかテレビで聞いたことあるけど、これって私のことだったんだ・・・それまでただなんとなく楽しかった毎日が、急に価値のないものに思えてきてしまいました。