いま思い返せば、毎週のようにマニアックな博物館や公園に連れて行ってくれる父は、“かなり面白い父親”だったと思いますが、友達の『那須高原に家族旅行して、ソフトクリームを食べたの♡』みたいな話を聞くと、なんで私はソフトクリームじゃなくてマネキンとか石とか刀とか寄生虫ばっかり見てるんだろうと、当時は本気で他の子の父親が羨ましくなったりしていました。
まあまあ仲良し父娘として生活し、小学校6年生になりました。相変わらず“地下放水路”や“ふれあい下水管”などの珍スポット探索に連れまわされていた日々でしたが、ある日、みなさんもご存知(?)である、“たかし(仮名)くんへの初恋”が原因となった事件が起こりました。
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ねえ、お父さん。はるのんってね・・・たかしくんって子のことが好きなんだって! きゃーもう、初恋だって! もーやだやだ!!
もーお母さん! 話さなくていいから! 恥ずかしいから!!
・・・。
・・・お父さん?
・・・本気、なのか。
え?
・・・お父さん、どうしたの?
本気かどうか、はっきりしろって言ってるんだ!!!!!
・・・?
なにが恋だ、小学生のくせにませすぎだ!! そんな無駄なこといますぐやめろ!!!!!!