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「こんな時だからこそ」とは言わないが、Netflixで観れるおすすめ映画たち

加藤広大 加藤広大


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「そういえば」と前置きをしてしまうくらい、本年度アカデミー賞の話を昔に感じるのは、筆者だけではないはずだ。

「ポン・ジュノ、よかったけど4冠はさすがにやりすぎでしょうよ、あ、フォードVSフェラーリ観ました?」なんてやってたのは遠い昔、今や「ジョーカー」を観たら「ちょっと、この暴動は、密すぎるのではないか?」とクソコメントを生んでしまいそうな世の中は、もしかしたら映画の見方もすっかり変えてしまうかもしれない。などといった話をはじめるつもりはまったくない。

不要不急の前口上は避けて以下本題に入りたい。いつもは新作映画をとりあげて、あれやこれやと書いていくのだが、今回は「新作映画がやってないのでNetflix作品から見繕ってオムニバス形式で紹介していく」スタイルをとる。

不要不急の前口上は避けると書いたが、少しだけ。ネットの発展により、私達は一歩も外に出ずに相当数の映画にアクセスできる。だが、家から出ずにアクセスできるのはNetflixやAmazon Videoのようなデカい箱ばかりではない。このご時世なので、普段はストリーミングサービスでかからないような作品を独自に集めてパッケージングしているところもある。

たとえば、アップリンクは「アップリンク・クラウド」内にて、60本の配給作品を3ヶ月間2,980円で鑑賞できるキャンペーンを行っている。

アップリンクの映画60本見放題! -UPLINK

また合同会社 東風は、全国の劇場と組み、オンラインで映画を配信し、劇場側に興行収入を分配する「仮設の映画館」を開設した。

仮設の映画館

ほかにも、映画に関する多様な取組みが、さまざまな場所でなされているはずだ。お金を出さなくても、オンライン飲み会で話題に出すだけでもよし。ちょっとでも何かの足しになって映画館が、映画関係者が生き延びることができたならば、コロナ後の世界は少しばかり楽しくなるはずだ。

そしてついに本題に入る。のだが、あとひとつだけ。単純にマイリストから引っ張って乱発していたら何百本も並ぶ羽目になってしまうので、以下のルールを設定した。

・今現在(2020年4月24日)の時点で鑑賞可能な作品のみをとりあげる。過去にあったもので復刻しそうな作品はNG。

・笑って、泣いて、健康になれそうな楽しい映画をセレクトする

・逆にこの世の中をサヴァイブするために役立ちそうな映画もセレクトする

・3回以上観た映画をセレクトする

・直近6ヶ月以内に鑑賞した映画をセレクトする

・「あの頃はよかった」禁止。ノスタルジーの力を用いて作品選定をしない

・Netflixオリジナル作品は選定しない(他社サービスで被っていそうな作品をピックしたほうがいささか親切な気がするので)

以上、ついについに本題に入る。

新感染 ファイナル・エクスプレス


新感染 ファイナル・エクスプレス
出典:IMDb

韓国映画界において、「ゾンビ」というジャンルムービーの成功例となった作品。ゾンビ映画のマナーを忠実に守りつつも、ゾンビVSマ・ドンソクの擬闘シーンや泣かせも含めて、ハイレベル韓国映画の勘所を押さえた傑作。一発も放たれない銃弾は流石の一言。ちなみに、ゾンビには一体一体性格付けと振り付けがあり、コレオグラファーを担当したのは「コクソン」で國村隼にあの動きをさせたパク・ジェインである。

ワールド・ウォーZ


ワールド・ウォーZ
出典:IMDb

思わず「密!」と叫びたくなるほど、とにかく密なゾンビを堪能できるビッグバジェット作品。とにかく大量のゾンビが走ってくるので、オールドスクーラーからは賛否あるが、邪道であると斬って捨てるには惜しいクオリティを誇る。

マッドマックス 怒りのデス・ロード


マッドマックス 怒りのデス・ロード
出典:IMDb

なぁにが「COVID-19」だ!こっちは「V8」なんだよ!

バーフバリ 王の凱旋


バーフバリ 王の凱旋
出典:IMDb

インドが生んだ魂が震える心の4DX作品。免疫が上がり過ぎて逆に熱が出てしまうかもしれないが、全人類はバーフバリというワクチンを摂取しておくべきである。薬機法に引っかかるので大きな声では言えないが、本作を鑑賞することで、おそらくさまざまな病気が治るのではないだろうか。

インターステラー


インターステラー
出典:IMDb

めちゃくちゃざっくり言うと、地球の環境がヤバくなり、「そんなら他の星に移住しようか」と居住可能な惑星を探しに行く物語。今となっては遠くの星で嫌がらせをしてくるマッド・デイモンを観て人の振り見て我が振り直せを感じる一作。宇宙のスケールが凄まじすぎるので己の悩みもちっぽけに感じてしまえるかもしれない。

マネー・ショート 華麗なる大逆転


マネー・ショート 華麗なる大逆転
出典:IMDb

サブプライム住宅ローンの「崩壊」にベットした男たちの話。「来たるべき恐慌に」という意味では「コンテイジョン」よりも重要かもしれないし、「どちらにベットするか」を考えるのにも良い機会だと思う。

ベイビー・ドライバー


ベイビー・ドライバー
出典:IMDb

細かい説明は不要。男の子が女の子と出会い、恋に落ちる。それだけの話しだ。免疫向上にピッタリの傑作。まさしく「All you need is one killer track」の一言。

12モンキーズ


12モンキーズ
出典:IMDb

2035年の未来からやってきたおどおどしているゴリラのようなブルース・ウィリスが繰り広げるドタバタ珍道中。何よりもブラッド・ピットが最高。余談だが、テーマ曲を聴きながら誰も居ない街を徘徊すると本気で世紀末を感じるので、散歩がてらやってみて欲しい。

ユージュアル・サスペクツ


ユージュアル・サスペクツ
出典:IMDb

本作に関しての記述は自粛したい。

アクアマン


アクアマン
出典:IMDb

「海のバーフバリ」と謳われたDC渾身の一作。とにかく知能が低いやつしか出てこない点が素晴らしく、少しでも頭の良い奴が出てきたら話が20分くらいで終わってしまう。だが内容は水増ししているわけではない。「海のマッドマックス」ともいえるだろう。

シャイニング


シャイニング
出典:IMDb

超有名作だからして、とくに紹介する必要もないと思うのだが、念のために書くと「家に引きこもり続けると人間はどうなってしまうのか」との疑問に関して、ジャック・ニコルソンが懇切丁寧に教えてくれる優秀なドキュメンタリー作品である。

ゴーン・ガール


ゴーン・ガール
出典:IMDb

ゴーンと聞いて今、カルロス・ゴーンを真っ先に思い出す人はどれほどいるのだろうか。それはさておき、デヴィッド・フィンチャー印の極上ミステリー。崩壊する信頼関係、加熱する報道、そして金銭問題と、あれ、これ最近どっかで聞いたような聞いてないような。

ヘイトフル・エイト


ヘイトフル・エイト
出典:IMDb

割と「密」な閉鎖空間で繰り広げられる密室劇。誰が本当のことを話しているのか、誰が嘘をついているのか、はたまた全員嘘つきなのか、ただひとつ確実なことは、サミュエル・L・ジャクソンがいつもの通りサミュエル・L・ジャクソンだということである。

カメラを止めるな!


カメラを止めるな
出典:IMDb

勢いで真面目なことを書くが、本作を観て、大いに笑って、大いに泣けば、大いに健康になると思う。マジで。

ゾンビランド


ゾンビランド
出典:IMDb

爆発的に広まったウイルスにより世界中にゾンビが溢れた終末世界が舞台の傑作ゾンビ映画。オタクの主人公はゾンビから生き残るための32のルールを作って生き延びている。このルールは今の時代にも通ずるものがあり、有酸素運動(ルール1)、人の集まる場所は避けろ(ルール16)、ストリップクラブは避けろ(ルール21)、肌の露出は最小限に(ルール26)など、今日から使いたい金言が盛り沢山だ。そして何より重要なのが、小さいことを楽しめ(ルール32)である。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)


バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
出典:IMDb

不要不急の仕事に人生を捧げた男の一代記。粉砂糖のように振りかけられるエマ・ストーンのキュート。胎動のようなアントニオ・サンチェスのドラムス。こんなに素晴らしい文化を廃れさせては決していけない。

駆込み女と駆出し男


駆込み女と駆出し男
出典:IMDb

縁切り寺に駆け込む女と、医者としても作家としても駆け出しの男が繰り広げる「掛け合い」は、BGMとして流していても心地よい。これからの世の中は、もっと「言葉」が必要になるはずだと、法秀は思います。

シン・ゴジラ


シン・ゴジラ
出典:IMDb

現状、Netflixにおいて「デカい怪獣」が登場する映画としてはナンバーワンの作品。公開当時は「シン・ゴジラ」「新海誠」「震災」と3シンで括られたように、今の状況でもさまざまに当てはめられるのだが、そろそろ解き放ってあげて欲しい。

グラン・トリノ


グラン・トリノ
出典:IMDb

疫病が蔓延り、オリンピックが中止になり、半径2m以内に人を近づけてはいけないようなギッスギスした世の中で、「隣人には優しくしましょう」というありきたりな標語を思い出させてくれる傑作。

はじまりのうた


はじまりのうた
出典:IMDb

「カメラを止めるな」と同じく勢い真面目に書くが、「ちょっと疲れちゃったな」と感じている人は、観てみてください。原題は「Begin Again」です。

ソーシャル・ネットワーク


ソーシャル・ネットワーク
出典:IMDb

あなたも登録しているであろう、フェイスブックを創始した男のお話。彼がSNSを作らなかったとしたら、私達の世界はもう少し平和だったかもしれない。

イコライザー


イコライザー
出典:IMDb

「ホームセンターでここまでできるなら、家でもいろんなことができるのではないか?」という、勇気とアイデアを与えてくれるDo it yourselfな殺人わくわくさんムービー。

以上、ルールに従いつつも、ときにちょっぴり破ってピックアップした。まだまだいろいろとあるけれども、あまり冗長になってもアレなのでこのくらいでお開きにしておく。

気になるものがあればぜひご覧になってみてください。もし、少しでも笑えて、泣けて、あるいは怖がってもらえたなら幸いです。

この記事で登場した映画に関する街クリの過去記事も併せてどうぞ
・「マッドマックス 怒りのデス・ロード<ブラック&クローム>エディション」発売記念。本編のサウンドトラックを紐解く
・マッドマックス 怒りのデス・ロード【連載】田中泰延のエンタメ新党
・「ベイビー・ドライバー」回転する映画、回転する音楽
・「カメラを止めるな!」について、今さら熱く語らせてほしい!
・「カメラを止めるな!」この映画は、まぐれ当たりや奇跡などでは決してない
・「ゾンビランド:ダブルタップ」2010年代にトドメを刺す、二度目の発砲音
・バードマン【連載】田中泰延のエンタメ新党
・駆込み女と駆出し男【連載】田中泰延のエンタメ新党
・シン・ゴジラ【連載】田中泰延のエンタメシン党
・「シン・ゴジラ」放映間近! ゴジラシリーズをおさらいしてみた


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[イラスト]清澤春香

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