この夏、アニメ映画をよく見ています。
7月だけでも「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」「トイ・ストーリー4 」「天気の子」、そして今回ご紹介する「ペット2」を劇場で見ました。これから「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」も見ようかなと思っています。
見た作品、どれもよかった。特に「トイ・ストーリー4」なんてボロボロ泣きました。賛否両論と言われていますが、僕は圧倒的に「賛」です。
2019年6月・7月に公開されたアニメ映画を調べてみたんですが、シネマトゥデイに掲載されているもので16本。街クリにも「きみと、波にのれたら」「海獣の子供」「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」「天気の子」とアニメのコラムが掲載されました。
そして、本題の「ペット2」です。
出典:映画.com
結論からいうと、抜群にたのしいコメディです。
うんざりする日差しから逃れた映画館で、笑って笑って、そして、じんわりと余韻も残してくれる。そんな映画です。どんな余韻かはたっぷりと書いていきます。
毎度ながらネタバレ全開です。しかし、今作は色々知ってから見た方が楽しめると思いますよ。
それでは、どうぞ。
若きヒット量産スタジオ・イルミネーション
「ペット2」は2016年公開「ペット」の続編。前作は日本でも興行収入40億円を超えるヒットを記録しました。
出典:IMDb
2016年の洋画年間興行収入ランキングでは、
【1】スター・ウォーズ/フォースの覚醒
【2】ズートピア
【3】ファインディング・ドリー
【4】ペット
と、ディズニー、ピクサーの大作に次ぐ第4位。手がけたのはイルミネーション(旧称:イルミネーション・エンターテインメント)。ディズニー、ピクサー、ドリームワークスに並ぶハリウッドを代表するアニメ制作スタジオです。
イルミネーションは2007年設立。ディズニーの1923年、ピクサーの1986年、ドリームワークスの1994年にくらべると、歴史は浅いです。
創設者は20世紀フォックスでアニメーション部門を立ち上げ「アイス・エイジ」や「ロボッツ」などを手掛けたプロデューサー、クリス・メレダンドリ。
出典:IMDb
ハリウッド映画を手がけますが、本部とメインのスタジオはフランスにあります。
立ち上げ当時、アメリカ国内のクリエイターの多くは他のスタジオに所属していてスタッフ集めが難しかった。そこで、海外の各地を検討するなかでフランスに目をつけ本拠地にしたそうです。後発ならではの苦労ですよね。
メレダンドリはインタビューで、イルミネーション立ち上げの際に「今からアニメーションの会社をつくっても競争が激しすぎる」と冷ややかな反応があったと語っています。ディズニー、ピクサー、ドリームワークスがそびえているわけですから、厳しいという予想はできそうです。
しかし、そんな反応を覆すようにヒットを連発。2010年公開の第1作「怪盗グルーの月泥棒 3D」は世界界興行収入5億4200万ドル。第4作「怪盗グルーのミニオン危機一発」は2013年度の世界興行収入ランキングで3位となり、アカデミー長編アニメ映画賞にもノミネートされました。
手塚治虫の「鉄腕アトム」に含まれる「地上最大のロボット」の回を原作としている浦沢直樹の漫画「PLUTO」の実写CG映画化や、任天堂と共に「マリオブラザーズ」のアニメ映画を製作することも発表されています。
ヒット連発のイルミネーション。その作品にはどんな特徴があるんでしょうか?
キャラクターと音楽。イルミネーションを象徴するもの
イルミネーション作品の特徴は「キャラクター」と「音楽」です。
まずはキャラクター。雑な言い方ですが、とにかくカワイイ! 怪盗グルーシリーズをはじめて見ましが、ミニオンのカワイさにやられました。USJでグッズに長蛇の列ができる理由が分かりました。
出典:IMDb ただひたすらに、カワイイ。
出典:IMDb 嗚呼、カワイイ……。
出典:IMDb カ・ワ・イ・イ・よ!
ずんぐりした体型。短い手足にコミカルな動き。ころころ変わる表情。統率がとれているようでとれていないアンバランスさ。
この感じ、ミニオンだけでなく「ペット」シリーズや「SING/シング」などイルミネーションに共通する特徴です。
カワイイキャラクターを最大限活かすのが、ナンセンスでスラップスティックなコメディ。第1作「怪盗グルーの月泥棒 3D」からして、あの黄色いキャラクターは何か? なんで怪盗の下で働いているの? 説明はされません。ただ、彼らはそこにいて動き回っている。でも、それがたのしい。
僕の息子たちは「スポンジ・ボブ」が好きで、はじまると数秒前が嘘のように静かに見るんです。イルミネーション作品には、それに近いものを感じます。「スポンジ・ボブ」はナンセンスの極みですが、意味をこえて人を惹きつけるものがあるんだなあというのがよくわかります。
出典:IMDb 意味は一切わからないけど、子どもたちは大好き。
ペットシリーズの監督、クリス・ルノーは「ペット」公開時のインタビューで魅力的なキャラクターの作り方についてこのように語っています。
明るい色調、大きな目、小さなサイズ……そういった要素はかなり意識しています。
あと、「人は何をキュートに感じるのか?」というのは古今東西でかなり共通しています。たとえば、子犬や赤ちゃんは誰しもが可愛いと思うはずで、それらは体に対して頭が大きかったり、目が大きいなど、同じデザイン要素を持ち合わせている。これも、魅力的なキャラクターを生み出すうえで参考になります。
「ペット」クリス・ルノー監督インタビュー“ペットから見える世界、その視点を大切に”
文化や言語、意味をこえて共通して伝わるカワイさがイルミネーションのキャラクターたちなんです。
そして、音楽。
「怪盗グルーのミニオン危機一発」のサントラ用に提供されたファレル・ウィリアムスの「Happy」は世界で大ヒット。劇中でも恋の喜びを示すシーンでミュージカル風につかわれ、目と耳がノリノリになりました。
出典:YouTube
ミニオンたちが登場するリリックビデオもごキゲン!
既存曲の使い方も抜群にうまい。「SING/シング」での、デヴィッド・ボウイ&クイーン「アンダー・プレッシャー」なんか最高です。キャラクター同様、意味を超えてつたわる「音楽の力」を巧みに利用しているんですよね。
「ペット」シリーズも既存曲の使い方がうまい。
冒頭に舞台となるニューヨークらしい曲をかけてきます。「ペット」ではテイラー・スウィフト「ウェルカム・トゥ・ニューヨーク」。「ペット2」はジェイ・Z& アリシア・キーズ「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」です。いずれも、これぞニューヨーク! という曲。
これで「ここはブエノスアイレス!」とかいわれたらズッコケます。
キャラクターと音楽。
イルミネーション作品は、セリフが一切なくても楽しめると思いますし、それがディズニーやピクサーとは違う色として世界で受け入れられているんです。
「ペット2」の愛おしいキャラクターたち
詳細の前に謝ります。すみません、吹き替え版でしか見ていません。字幕版も見て書くべきなんですが、いける範囲の映画館では字幕版は未上映。地方の辛いところです。許してください。紹介するのは吹き替え版キャストのみとします。ハリソン・フォードが声優をしているキャラクターもいるので字幕版も楽しみだったんですが、残念です。
言い訳しましたが、本題です。
ニューヨークで子犬の頃に捨てられ、明るく活発な女性・ケイティに拾われたジャック・ラッセル・テリアのマックス。彼と同じマンションや近所に住む動物たちが飼い主の不在時に起こす様々な騒動が描かれていきます。
主人公・マックスの声はバナナマンの設楽統。
出典:IMDb
マックスと共にケイティと暮らす大型犬。ニューファンドランドの雑種、デュークを演じるのはバナナマンの日村勇紀。
出典:IMDb 見た目も日村さんそっくり!
コンビだけあって2人の掛け合いは絶妙。それぞれがキャラクターにマッチしていました。
前作「ペット」をすこし紹介しましょう。
ケイティの愛を一身に受けていたマックス。ある日、保健所からデュークが引きとられてきて生活は一変。最初は反発していた2人も、大騒動を通じて仲良くなるというお話でした。
ほとんどの人が感じるはずなので言ってしまいますが、かなり「トイ・ストーリー」です。ウッディとバズと思ってもらえると分かりやすいです。で、大騒動にはペットとして人に飼われていながらも捨てられた動物たちのグループ「元ペット軍団」も絡んできて……。という感じで、これは「トイ・ストーリー3」ですね。
出典:IMDb マックスとデュークは兄弟同然の仲に。
設定や大筋には「トイ・ストーリー」シリーズの影響を感じますが、「ペット」はカラッとしたコメディに徹しているので別物として、十分たのしめます。
元ペット軍団のリーダー、ウサギのスノーボールは「ペット2」でも重要キャラクター。
出典:IMDb 前歯がカワイイ。
「ペット」では人間にうらみを持って悪事をたくらんでいましたが、ラストでモリーという少女に拾われてふたたびペットとなりました。
声は、中尾隆聖。ばいきんまんやフリーザでおなじみですね。可愛らしい声から憎たらしい声まで、70歳目前とは思えない貫禄でした。
向かいのマンションに住み、マックスに想いをよせるポメラニアンのギジェットには沢城みゆき。お嬢様ながらジャッキー・チェンばりのアクションもみせるギャップが魅力的。
出典:IMDb 怒るとおっかないお嬢様。
その他、太っちょ猫のクロエ、高齢のバセット・ハウンド・ポップスなど「ペット」からおなじみのキャラクターたちも続投しています。
マックスに大きな変化が。ふたたびはじまる大騒動
ケイティがチャックという男性と出会い恋をし、結婚するところから「ペット2」はスタート。
やがて長男・リアムが誕生します。とまどうマックスでしたが、やがて彼を守りたいという親心が芽生えます。しかし、想いが強すぎてリアムのやることなすことを過剰に心配するように。
出典:映画.com 赤ちゃんと犬、カワイイが過ぎる。
「世界はこんなに危険だったのか!」マックスはストレスで首をかきむしるようになり、動物病院でエリザベスカラーをつけられてしまいます。
出典:映画.com
その直後、マックスたちは農場へ家族旅行へ出かけることに。時を同じくしてスノーボール、ギジェットたちにも……。
冒頭の「出会って・恋して・結ばれて・産まれて」の月日の流れのテンポが良くて、非常にスマート。「ペット2」の物語の大きな特徴は、テンポ。サクサクと飽きさせず、進みます。
その要因が、3本に分かれるストーリーライン。役割がはっきりしていて、複雑になることもありません。
それぞれの役割と見どころ、追っていきます。
テンポの良さと分かりやすさを生む3本のストーリーライン
1本目は、農場へ出かけたマックスたち。
役割は、メインテーマでもある「マックスの成長」。NY育ちのマックスにとって田舎は未知の世界。ビクビクして、やっぱりリアムが心配なマックスですが、ウェルシュ・シープドッグの牧羊犬・ルースターと出会い、変化の兆しが。
出典:IMDb ハリソン・フォードのルースター見たかったなあ。
ルースターを演じたのは内藤剛志。字幕版ではハリソン・フォードです。無口で無骨な感じがとても上手でした。
ルースターと接するなかで「守る」ことの意味を知り、犬としての本能や、勇気をもらいマックスはNYへ帰ります。
農場で七面鳥が出てくるんですが、その姿が「シン・ゴジラ」の「蒲田くん」にしか見えなくてめちゃくちゃ面白かったです。見た人ならわかってくれるはず!
出典:IMDb 七面鳥も蒲田くんも、おもしろ恐い。
帰るマックスを感傷的に見送るルースターと七面鳥とのやり取りはさすがイルミネーション! という感じでした。
しんみりしつつ笑いの要素は忘れないんです。スイカに塩をかけると甘さが引き立つように、逆の感情が少し入るとメインの印象が際立つんですよ。この手法、「ペット2」でふんだんに使われています。
2本目のメインキャラは、スノーボール。
役割はラストに向けた大筋の進行。狂言回しパートです。
飼い主のごっこ遊びで、ヒーロー「キャプテン・スノーボール」になりきる彼のもとに「悪徳サーカスに捕らわれたホワイトタイガーの赤ちゃん・フーを救出してほしい」という依頼が。
本当のヒーローになるチャンス。依頼してきたデイジーとともにサーカスに乗り込んで……。という流れです。
出典:IMDb キャプテン・スノーボールとデイジー。
3本目は、ギジェット。役割は「笑い」です。
マックスに世話を頼まれたおもちゃを「ある場所」に落としてしまったギジェット。そこは数十匹の猫を飼うおばあさんの家でした。猫たちは猫以外が立ち入ることを決して許しません。ギジェットはクロエに「猫になる方法」を伝授してもらい、なんとか潜入に成功するが……。
ここはもう抜群にたのしい。で、たのしい中にも孤独に暮らすおばあさんの悲哀みたいなものをチラリとのぞかせてくるんです。農場の逆パターンの、スイカに塩。
出典:IMDb
やがて物語は1本に集約。マックス・スノーボール・デイジーはフーが捕らわれたサーカス列車に乗りこみ、ギジェットは車で助太刀に向かいます。列車も車もクライマックスに向けて猛スピードで走り出します。
マックスの成長、月とオジー・オズボーン
ラストはマックスの成長を存分に見せてくれます。
列車から落ちそうなスノーボールをくわえて引きあげるのは、ルースターが農場で羊の子どもにしたことの再現。列車から放り出されても、また立ち上がる。セルゲイの飼い猿に帽子をかぶせてあげる余裕すらある。臆病だったマックスがこんなに……、と込みあげてきます。
ルースターがマックスに伝えたもの。それは、タフさだと思います。危険がたくさんの世界で、傷つき・転んでもまた立ち上がる力。
農場でルースターと共にマックスが満月をバックに遠吠えするシーンがありました。「ペット2」のマイ・ベストシーンです。犬としての本能や野性味を示しながら、知らない、見たことない世界の広がりを宇宙にまで視覚的に表現できていました。
出典:IMDb 本編にはないですが、月が印象的なポスタービジュアル。
「月」は、イルミネーション作品でよく使われるモチーフ。「怪盗グルーの月泥棒 3D」はタイトルずばり、月を盗むというお話。「SING/シング」では主人公の名前がバスター・ムーンで、月の満ち欠けと登場人物のおかれた状況がリンクするかのように使われました。
出典:IMDb 是非みてほしい、「SING/シング」屈指の名シーン。
本編での言及は一切ありませんが、遠吠えシーンで僕が想起したのはオジー・オズボーンの「月に吠える(原題:Bark at the Moon)」。1983年発表、ヘヴィ・メタルの名曲です。空耳アワーでもおなじみですね。
出典:YouTube 何回みても少年がかわいい(月に吠えるは、1:40頃から)
オジー・オズボーンは1970年代にヘヴィ・メタルの始祖のひとつ、ブラック・サバスのボーカルとして活躍。1977年にバンドを脱退。1980年にファースト・ソロ・アルバムを発表します。
最初の2枚のアルバムはランディ・ローズというギタリストと共に制作しました。オジーは彼のことを信頼し、順風満帆かと思われた矢先の1982年にランディがツアー中の飛行機事故で急逝。25歳の若さでした。
オジーは失意の底に沈みますが、みごとに復活し1983年に3枚目のアルバムを発表。「月に吠える」は1曲目に収録され、アルバムタイトルにもなりました。
出典:Amazon 「月に吠える」のアルバムジャケット
ジャケットのおどろおどろしさ同様、墓地から人間が蘇るという内容で「死の夜」や「地獄」「邪悪」といった言葉が並びます。
歌詞はとんでもないんですが、芯のメッセージはその言葉通りではないと思います。
ヘヴィ・メタルという音楽は弱虫が強くなるために、強さを装うためのコスプレという一面があると思っています。見た目や言葉は舞台装置であり、演出。
「月の吠える」の中心は「死んだ人間が立ち上がる」というメッセージ。ランディを亡くしたオジーが、俺はまだ死んでないぞ! と月に向かって高らかに宣言しているんです。
制作側は意図していないと思いますが、遠吠えシーンで「月に吠える」を思い出し、恐ろしい世界だけど、立ち上がる価値があるし、立ち上がるからこそ素晴らしいものを手にできるんだと思ったんです。たとえ、人にバカだと言われても。
大いに脱線しましたが、マックスは列車から放り出されてもあきらめない。ふたたび乗り込み、仲間とセルゲイに立ち向かいます。
最後の対決でフーも飛びかかりますが、一緒にじゃれているだけなんですよね。結果的に攻撃みたいになっているだけで。ここのバランス感覚も抜群。動物をモノとして扱うセルゲイですから、ボコボコにされるだけでもよさそうですが、そうじゃない。フーの楽しげな顔が勧善懲悪だけでもない、重層的な印象をあたえてくれます。ここでもスイカに塩。
出典:IMDb セルゲイは、シンプルに悪い奴でした。
大騒動も夜が明ければいつも通り。飼い主たちは何もしらずに目をさまし、日常がはじまります。幼稚園にいくリアムを見送るマックスは以前のような心配はしません。一緒に世界を楽しむように並んで歩きます。
「君にもたくさん見てほしい、恐いけどすばらしい、この世界を」
と、願いながら。
世界は、こんなにも愛おしい
僕の子どもは来年、小学生になります。親の目の届く範囲だった彼の世界もどんどん広がります。子どもだけで学校へ歩いていくだけでも今から心配です。
それでも、勇気を持って送りだそうとラストシーンを見ながら思いました。転んでも、立ち上がるタフさが大切だと教えるためにも。
最後に流れるのは、R&B/ヒップ・ホップシンガー、ランチマネー・ルイスの「It’s Gonna Be A Lovely Day」。何気ない一日が素敵な一日になるような多幸感にあふれていて「ペット2」を締めくくるのに最適です。
この曲は、「ペット」のラストで使われた1977年のビル・ウィザース「Lovely Day」のカヴァー。一聴すると違う曲なんですが、ベースラインや何気ない一日を肯定するかのような明るい雰囲気は共通している素敵な曲です。
「ペット2」は、説教くさくもなく、社会問題への鋭い問いかけもありません。それでも、86分間カワイイキャラクターたちに笑って笑って、映画館を出ると、見える景色が愛おしくなる素晴らしい映画でした。
正しいとか間違っているとか、自由だとか不自由だとか、そんなことばかり飛び交う世界を少し離れてマックスたちのいるNYをおとずれてみてはいかがでしょうか。
たのしい時間が待っていますよ。
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[イラスト]ダニエル