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美智子さまご愛蔵『ジーヴズの事件簿』。英国版ドラえもんの面白さにハマる理由とは

高桑のり子 高桑のり子


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皇后美智子様が、84歳の誕生日に行われた会見で「ジーヴズも、二、三冊待機しています」と、ご回答されたことから一気に注目を浴びることとなった『ジーヴズの事件簿』。

報道直後から全国で本の注文が殺到し、続々と重版されています。

というわけで、私も読んでみることにしました。

「美智子さまが、こんなバカバカしい(コミカルでユーモアのある)書籍を読んでいたとは…!」

(最高かよ…!)

というのが正直な感想。

 

本作は「毒にも薬にもならないけれど、依存性のある書籍」という表現が合っているような気がします。

そして、イギリスの書籍である本作を無理やり日本版で現すとどうなるだろうか…と、ふと考えてみると「英国版、ドラえもん」「英国版、名探偵コナン」だな〜と私は感じました。

 

ドラえもん「のび太くんは、ホントにドジで間抜けだな〜。はい、”ころばし屋”! これで、ジャイアンを転ばせてやるといいよ。」

コナン「あれあれ〜? おじさん、こんな所にアイスピックが落ちてるよ〜。犯人が落として行ったのかも知れないね!」

 

というような感じ! これだけでは『ジーヴズ』を読んだことない人には意味が分からないと思いますので、続きをどうぞ…!

ジーヴズの事件簿ってこんなストーリー! 「ドラえも〜ん! 大丈夫だよ、のび太くん」的な!


https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61HEGc474QL.jpg
出典:Amazon

舞台は、20世紀初頭のロンドン。

国宝級に気はいいけれど、オツムは弱く、天然ボケ。おまけに服のセンスも微妙に悪い(本人は気づいていない)。友人思いで遊び好きの主人のバーティ。

バーティーの元には、事件とまではいかないけれど、次々と面倒なことが舞い込んできます。いつも、誰かが持ち込んでくる困ったことを助けずにはいられない性格です。

 

その度に、アワアワしながらドタバタ巻き込まれるおバカなバーティを、切れ者ジーヴズが裏で手を回しながらも華麗に解決する。

というのが本作のストーリーです。もう一言付け足すのであれば、困っている理由は大抵バカらしい。

短編集の集まりからなる本作の展開は、いつもワンパターンです。

 

『ドラえもん』で例えるなら、のび太がジャイアンやスネ夫たちに意地悪され「ドラえも〜ん」と泣きつき、ドラえもんに頼る→ドラえもんのひみつ道具で問題を解決。

『名探偵コナン』で例えるなら、毛利小五郎が、解決できもしない事件にぶち当たり「この名探偵、毛利小五郎にお任せください」と言ったにも関わらず、自分では解決できずに困ってしまう。しかし、寝ている間(厳密にいえば、麻酔銃で意識がない間)にコナンが華麗に解決してくれる。

間抜けさを上手くカバーできるもう一人の人物によって、ストーリーが成り立っています。

 

この、単純明快なストーリー展開が、サクッと読めてスッキリ爽快。どハマりする人が多いのだと思います。美智子さまも忙しい公務の中、「『ジーヴズの事件簿』で、気分転換をはかっていたのかも知れないな。うむ…」

と、大阪に住む普通の主婦である私は、偉そうにそう思ったわけです。

ちょっと皮肉めいた言い方が英国っぽい! 『ジーヴズの事件簿』 ハマるやり取り

おバカな主人のバーティと、デキる男ジーヴズ。

この2人のやり取りが面白くて、ハマる人が続出しているというのです。

本作はイギリスのユーモア小説を翻訳したものです。作家ももちろん英国の方ですので、いい意味で日本人ウケを狙ったやり取りではなく、いかにも英国っぽい皮肉めいた言い回しが特徴的。

「それから、ジーヴズ。あのチェックのスーツだが」
「は?」
「そんなにまずいか?」
「やや突飛すぎるかと存じます」
「でも、仲間の多くがどこの仕立て屋だと訊くぜ」
「間違ってもそこで注文しないためでございます」
「でも、ロンドンでも一番のいいやつなんだ」
「その仕立て屋の気立てには、わたくしも異存ございません」

『ジーヴズの事件簿〜才智縦横の巻』より引用

主人でありながら、さらっと執事ジーヴズにバカにされるバーティ。

それを受け入れるバーティの大らかさと、どんな面倒ごとを頼まれても、どん底まで落とされてもヘコタレない底抜けに明るい前向きさが気持ちいいのです。

そして、ジーヴズの語りからは主人をバカにしている感じはなく、サラッと意表を突き相手を納得させている感じがあります。

最後には「さすがジーヴズだ!」と、素直に褒め称えるバーティが、なんだか可愛らしくて私は大好きです!

P・Gウッドハウスって有名な作家? 美智子さまがジーヴズを知った背景

美智子さまが会見で「ジーヴズも、二、三冊待機しています」と語られたことで私は本作を知ったのですが、 美智子さまが補足説明なしに「ジーヴズ」と語られたことを考えると、有名なシリーズ、または作家さんだということが伺えます。

P・Gウッドハウスは、イギリス、ギルフォード出身のユーモア作家。

イギリスでは、人気、名声ともに極めて高いようで、探偵といえばシャーロックホームズ。シッターといえばメアリーポピンズ。執事といえばジーヴズと言われるほどだとか。

愛読者の中には、

・エリザベス陛下

・元英国首相 トニー・ブレア

・作家のイヴリン・ウォー

・コメディアンのスティーブン・フライ

(もっと沢山の名前が出てきましたが、多すぎるため省略)

エリザベス陛下が「今欲しいものは何?」と聞かれた際「ウッドハウスの全作品集が欲しい」と答えたいうエピソードもあり、英国では不動の人気を誇る『ジーヴズ』。

諸外国への訪問や接待など、日本と諸外国の橋渡しとしての公務を行う美智子さまが『ジーヴズ』を知っているのは当然のことなのかも知れません。

そして、駅で外国人に道を聞かれた時に「あっちですよ」と指差したつもりが、「Go away(あっちへ行け!)」と言ってしまうほど英語をまったく話せない私が『ジーヴズ』を今まで知らなかったのも、当然のことなのかも知れません。

世代、国をも飛び越えて長年愛される『ジーヴズ』の魅力とは

作者であるP・Gウッドハウスは、没後40年という月日が経っているにも関わらず、いまだに根強い人気を誇っています。

そして、美智子さまの影響もあり、日本でもブームの予感…!

ジーヴズの魅力は、ジーヴズの冷静でありながらエッジの効いた発言と、「こいつ、何言ってんだ…またかよ…笑」と思わせるおバカなバーティのやりとりですが、読者を『ジーヴズ』中毒にしてしまうような魅力は他にもあります。

ジーヴスとバーティのやりとり以前に、登場人物全員やばい人が多いのです。バーティはお金貸しすぎだし、ビンゴは恋しすぎだし、アガサ伯母に至ってはもう論外です(笑)

完璧なジーヴズが、主人の服の趣味だけは気に入らない。という設定も面白おかしいし、毎回面倒なことに巻き込まれて困るくせに、助けずにいられない気の良さとバカっぷりを持ち合わせるバーティがとても愛おしくなる。

私はつい最近、本作を知ったので偉そうには言えないのですが、日本国民にもっと『ジーヴズ』が浸透すればいいのに…! と本気で思っています。沢山の人が『ジーヴズ』を読み、気持ちよく笑える面白さと清々しさを共有したいのです。最後に…

 

ジーヴズは、最高の執事です。

どんな問題もジーヴズにかかれば華麗に解決してくれます。

 

ーご主人様。どんなトラブルも、私が見事解決してさしあげます。

で、この品のない靴下は処分してもよろしいですね? ー

 

おしまい。

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