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2018年上半期、観てよかった映画を振り返ったら全然観てなかった

加藤広大 加藤広大


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kamihanki_eye

犯罪都市

Reference:YouTube

今年の韓国映画は昨年の「お嬢さん」や「哭声/コクソン」ほどの盛り上がりはないものの、実質的なクオリティはまったく落ちていない。「タクシー運転手」も、ホン・サンス作品も未だ観れていない私が言うのもなんだが、「犯罪都市」は傑作なのでぜひ観て欲しい。

2004年のソウルを舞台に、地元のヤクザと勢力拡大を求めて乗り込んできた中国系の犯罪組織に対して、マ・ソクト(マ・ドンソク)を中心とした強力班(強行班みたいなもんです)が一網打尽を目論み、三者入り乱れて大立ち回りな映画なのだが、そのクオリティは単なる刑事モノ、犯罪モノの枠を軽々と飛び越えている。

マ・ドンソクが繰り出す「当たりどころが悪ければ一撃であの世行きかも知れない」張り手は『新感線 ファイナル・エクスプレス』でも感染者たちに対してぶっ放されていたが、本作ではその動きを更にブラッシュアップさせ、生身の人間に対して容赦なく大砲のような打撃が打ち込まれていく。

ときに近年のリアル韓国闇社会的な側面を描いた作品では、銃を出さない作品が目立つ。「映画だから」と言って持ち込みたくなってしまうような願望(アンリアル)を持ち込まない。つまり抑制が効いているということである。本作も登場人物は全員頭が悪いのに、驚くべきことに知性すら感じさせるのだから恐れ入る。

犬ヶ島

Reference:YouTube

ウェス・アンダーソンの最新作。相変わらずのウェス節っぷりは健在。

圧倒的情報量に完敗。グラフィックデザイナーが観た「犬ヶ島」でも書いたとおり、いちど観ただけでは到底理解のできない記号の多さに完敗中で、未だ正当な評価をくだすことができない。

しかし、ウェス・アンダーソンがお好きな方ならば観て損はない作品であるし、作中で繰り返される独特の横移動や台詞の反復は、ウェス・アンダーソン印のお菓子か何かを食っているような気分になり、その味は決して期待を裏切らない。

現在(6月28日)の時点では、まだソフト化はされていないので、おさらいとして「ファンタスティック Mr.FOX」を観ておくことを激しくおすすめする。Amazonなら199円でレンタルできるので、機会があればぜひ。

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