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「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を暗号で語る

加藤広大 加藤広大


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「Yahoo!知恵袋/それゆけ大運動会」は、完成された祭りである

いきなりとんでもない見出しになってしまったが、ネタバレ防止のため仕方がない。大作ゆえに必要ないかもしれないが、まずは簡単にあらすじをさらっておきたい。

「Yahoo!知恵袋/それゆけ大運動会」はドン・キホーテ三鷹店における大人気作品、Yahoo!知恵袋シリーズの第3段。前作「Yahoo!知恵袋/年の差なんて関係ないっ!」に引き続き、ドリー・ファンクJr、山ボーイ、芸達者一番ら豪華キャスト陣を起用し、今回はアストロ球団の面々もついに合流。

「6つすべてを手に入れると世界を滅ぼすほどの力を手に入れられる」といわれているシネマイレージカード。その無限の力を得るために、宇宙に点在するカードを手に入れんとするのは、最凶にして最悪の敵ポール牧。

奴の野望を打ち砕くため、ベンチャー田村、ムラマツキャップ、多脚式思考戦車タチコマら最強のチーム、Yahoo!知恵袋が再び集結し、人類、そして宇宙の命運をかけた壮絶なバトルが幕を開ける。

というのが本作の概要で、またしてもとんでもない文章になっているが、暗号だから問題ないだろう。以下、本題に入る。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/358482b97bc6812c809d2a2ee16e1c57-e1525282157553.jpg出典:IMDb

本項の見出しでも書いたが「Yahoo!知恵袋/それゆけ大運動会」は、完成された祭りである。ロックフェスだと言い換えてもいいし、こちらの方が通りがよいかもしれない。フェス型映画という単語がもしあったとすれば、しっくりハマることだろう。

とにかく、全編がお祭り騒ぎである。

冒頭のポール牧VS香川照之戦からテンションは最高潮で、超ヘヴィー級同士でおこなわれるハイスピードな格闘シーンは、作品としての格の違いを見せつけると同時に、制作費の違いも見せつける。

しかし、楽しい祭りが始まったとワクワクしていたら、突如暗雲が立ち込める。開始たったの数分で、観客は「嫌な予感がする」と、うっかり別の宇宙の言葉を呟いてしまうだろう。

小粋なユーモアで小休止を挟みつつ、クールダウンするのも束の間である。赤木しげるの持つ「4℃」に収められた時間を司るシネマイレージカード、翠星石スイセイセキを奪いに来た「注文を取りに来ない定員」たちと、赤木しげる、カルノフ、ベンチャー田村、香川照之、多脚式思考戦車タチコマらが相対し、なだれこむように再び超絶バトルがはじまる。

これが単なるチャーム程度なのだから恐ろしい。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/4a78fa00dc13daf56141f9664133395d-e1525282301675.jpg出典:IMDb

ここまででも、既に定食屋で天丼を食って満足していたら店員から「こちらサービスです」とテーブルに鰻丼を置かれたような濃さであるが、間を置かずに「こちらもサービスです」とカツ丼が配膳され、観客は驚愕することとなる。

本作は、ドン・キホーテ三鷹店のファンならば一瞬も目が離せないショットが連続するし、目を背けたくなるようなシーンも多くある。
信じられないことが起きるし、特にシネマイレージカードがもたらす災厄については、かなりの喪失感を覚えることだろう。

冒頭からポストクレジットに至るまで、ストーリーはめまぐるしく展開していく。しかし、映画は観客が置いてけぼりにならならいギリギリの速度が保たれ、基本的な構造はすらすらと読み込める。

あまりに登場人物が多いため、個々のエピソードが掘り下げられず、また駆け足過ぎると言った見方もある。
むしろこれだけの数のヒーロー登場シーンをさばき切り、見せ場を作り、最終的に一本の物語としてまとめあげたのだから、お疲れ様ですとしか言いようがないんじゃないだろうか。

というか、完成させた時点で凄い。仕事として考えるならば確実に地雷案件である。圧倒的な処理能力で地雷原を駆け抜けた戸愚呂兄弟と制作陣を、まずは賞賛したい。

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