出典:IMDb
JAZZ DOMMUNISTERS「Cupid & Bataille, Dirty Microphone(2017)」の1曲目『Illunatics feat.菊地凛子』のなかで、女優の菊地凛子は、菊地成孔の質問に対してこう答えている。
Q:あなたが今まで、映画の中で口にしてきた言葉の中で、一番汚いものはなんでしょうか?
「2006年公開の「バベル」という作品のなかで、もともとは手話なんですが、
英語で言うと
「im gonna fuck you dad ride on my mood」
日本語だと
「あたしの気分をぶっ飛ばすために、あなたの父親とファックするわ」
Q:あなたが今まで、映画の中で口にしてきた、最も美しい言葉はなんでしょうか?「お父さん、愛しています」
2013年公開、「パシフィック・リム」
JAZZ DOMMUNISTERS/Cupid & Bataille, Dirty Microphone/Illunatics feat.菊地凛子
「パシフィック・リム:アップライジング」〜賛否がブレイン・ハンドシェイク〜
汚い言葉と美しい言葉は、真逆のような存在でありながらも実は同一で、汚い言葉のなかでこそ美しい言葉は輝きを増すし、美しい言葉のなかでこそ汚い言葉は鋭さを増す。
美しい言葉だけの世界は、ユートピアに見えるが地獄である。汚い言葉だけの世界は、もしかしたら前者よりも少しだけマシかもしれない。そして、両方が混在する世界は、やっぱり地獄である。
本作「パシフィック・リム:アップライジング」の批評家・ユーザー評価は、現在のところ賛否両論といった感じで、某トマトサイトを開いてみれば、批評家の支持が43%、観客は48%と、真っ二つに別れている。
数字で見ると両者の溝は深いように思えるが、細かく評価の内容を読み解いていくと、「面白かったけれども、物足りなかった」「前作と比べると、クオリティが一段劣る」といった「まあ良かったけど、あそこは気に入らなかったな」と、言わば賛否をキメラにしたような意見が多い。
つまり、賛否がブレイン・ハンドシェイクしているようなものであり、いくつもの意見が合体して、評価を形作っているようなものでもある。
出典:IMDb