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「パシフィック・リム:アップライジング」。量産化される「ひとこと言わせろ」

加藤広大 加藤広大


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この事実は、元ネタを提供した日本人としては誇らしいものの、「日本のお家芸である特撮とか、怪獣映画を外国人の監督が、外国で作り、結果とんでもなく面白い作品ができてしまって、嬉しいのだけれども、心のどこかで認められない」といった感情を抱くに至った。要は「俺、あいつのこと良く知ってるぜ」みたいなもんであり、このアンビバレンスを何とかするためには、デル・トロをこちら側の人間として認定するしかない。

つまり、「俺達のデル・トロ」である。一度そう思い込んでしまったら、彼が降板し、監督が変わってしまった本作をまっさらな状態で見られるわけがない。口を付いて出てくるのは「デル・トロだったらな」、「デル・トロじゃないからな」である。

残念なことに、これから他の怪獣映画やロボットものが制作されたとしても、この「デル・トロだったら」というクリシェは必ずつきまとうだろう。

かつて日本人の自慢であり、プライドでもあった車や家電、今ならアニメ、そしていくつかの素晴らしい映画たちは、既にその多くが他国によって技術もデザインもクオリティも抜かれまくっている。明らかに日本より上なのに認められず、細かいところばっかり突っついて、挙げ句の果てには思考停止し「中国産だからな」と言っているのと、上記の話は何ら変わらない。頭ではわかっているのに素直に認められないというのは、端的に言って不健康である。

現に今、予算は考えないとして、特撮の、怪獣の、ロボットの本場である日本で「パシフィック・リム」そして「パシフィック・リム:アップライジング」が作れるだろうか。一応念のために書くが、日本のコンテンツが弱い、やっぱ外国産最高とか、アホなことを言っているわけではない。

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