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「グレイテスト・ショーマン」は正真正銘のバーナムービー

シーズン野田 シーズン野田


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くどくどと、九度十度と、口説きまくれ! 『This Is Me』

先にも触れたが、本作では様々な場面でバーナムが口説きにかかる。その場面がどれも印象的だ。

上流階級出身の興行師であるフィリップを口説くミュージカルシーンが特にいい。バーナムは何としても上流階級のコネクションが欲しかった。バーで二人で酒を飲んでいるところから「一緒にやろうぜ! 人生楽しく冒険しようぜ!」と持ちかけるバーナムに対して、フィリップは「俺は今の暮らしで十分だ」と拒否をする。しかしその攻防がどんどん歌になっていく。

スクリーンショット 2018-03-10 22.43.08
出典:Facebook

中でもお気に入りは、駆け引きをする二人の間で酒を継ぎ足し手助けをするモブキャラのバーテンダー。一生懸命二人をアシストする具合がまた笑いを誘う。一体何を見せられているんだ? と思うのだが、男3人だけのミュージカルシーンは本編の中でも異彩を放っていた。ただ、彼を口説き落とす部分だけで尺を使いすぎじゃないか? と思わないでもない。フリークスを口説く時って何か歌っていたっけ?? 彼にとってはフリークスよりも上流階級を口説き落とす方が難しく、やりがいのあることだったのかもしれない。

さらにもう一つ印象的だったのはオペラ歌手のジェニー・リンドを口説くシーンだ。女王のパーティーでバーナムは彼女に出会う。彼女の歌声を聴いたこともないくせに「一緒にやらないか?」と話しかけるその様は、まるでナオト・インティライミさながらではあるが、その口説き文句が素晴らしい。彼女は「なぜ私を誘うの?」と当然の返答を投げかける。

さぁ、彼女の大喜利にバーナムはなんと答えたか。次の3択からお答えください。

1「登山家になぜ山を登るのか、君は聞くのかい?」

2「俺はいつも偽物を見せている 本物を見せたい」

3「だっふんだ」

ろくに思いつかなかったが、3と答えた志村なあなたは『This Is Me』で間違いない。正解は2番です。この口説き文句を聞いた時、バーナムはやっぱりフリークスショーを偽物だと思ってやっていたのかと少しがっかりした。「個性よ輝け!」と本気で言っていたのではなかったのか。だが、本物に出会ったからこそバーナムは自分の中に眠る本音に気付いたのかもしれない。周囲や批評家に偽物だとバカにされた続けた自分のショーを「そんなことねーし」とねじ伏せてきた心の無理が顔を出したのだ。そして「本物を見せたい」と思わず口走った。そんな心の叫びだからこそ、リンドは胸を打たれた。

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