広告における言葉のプロといえばコピーライター。人の心を動かすプロと言ってもいいですよね。そんなコピーライターたちはどんなことを考え、言葉を紡いでいるのでしょうか。今回はコピーライターが書いた本を30冊ご紹介いたします。心を動かすプロから言葉のテクニックや発想法を学んでみましょう。
1. 『広告コピーってこう書くんだ!読本』
谷山 雅計(2007年)宣伝会議
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新潮文庫「Yonda?」、「日テレ営業中」などの名コピーを生み出した谷山雅計さんによるコピーの書き方解説本です。コピーを書く上での基礎的な内容となっており、コピーライティングについて学びたい人が最初に読むにはうってつけの1冊となっています。
非常にわかりやすく書いてあるので、普段文章に関わる仕事をしていなくてもスラスラと読めます。コピーライティングの方法についてはもちろん、「人に言葉を届ける」ための姿勢についても学ぶことができます。勉強したいけど、どれから読めばいいか分からないと悩む人は、ぜひこの本からはじめてみてください。
2. 『名作コピーの教え』
鈴木康之(2015年)日本経済新聞出版社
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約35年に渡りコピー年鑑審査委員をされていたり、宣伝会議コピーライター養成講座などでも講師をされていた鈴木康之さんによる本書。こちらの本では、過去の名コピーを元にキャッチフレーズや文章を書くコツを解説してくれています。
コピーライターだけでなく、すべての文章を書く人たちにとってためになる内容となっています。もちろん、教科書としても素晴らしいですが、名作コピーを眺めているだけで楽しい気持ちになります。ぜひこの本でコピーライティングの技法について学びながら、一つ一つのコピーを味わって読んでみてください。
3. 『ここらで広告コピーの本当の話をします。』
小霜和也(2014年)宣伝会議
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コピーライター志望や若手コピーライターの人にぜひ読んでほしい本がこちらの1冊です。コピーライターの仕事についてや、コピーの書き方などが紹介されており、コピーライターに関することがひと通り分かるような構成となっています。著者は、PlayStationシリーズキャンペーンなどを担当していた小霜 和也さん。小霜さんは、こちらの本以外にも多数の著書があります。
物事をシンプルに表現する方法論や、仕事に向き合う姿勢についての金言が詰まっています。コピーライターとは全く関係ない職種の方にとっても「物事をシンプルに整理して伝える」という仕事に必要な基本的な事が学べるなど、参考になる部分が多々あります。「クリエイティブって難しそう」と考えている人にもぜひ読んで欲しい本です。
4. 『思いつくものではない。考えるものである。言葉の技術』
磯島拓矢(2014年)朝日新聞出版
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大手広告代理店「電通」のクリエイティブ部門に配属された新人の研修内容に沿って構成されたこちらの本。電通に入らなくても、電通のトップレベルの研修を追体験できるお得な内容となっています。体系的にコピーライティングについて学びたいのであれば、うってつけの本です。
著者は、KIRINのどごし〈生〉の「ごくごく、幸せ。」や、旭化成ヘーベルハウス「考えよう、答えはある。」などのキャッチコピーを手掛けた磯島拓矢さん。20年以上のコピーライター経験から、言葉を考えることの大切さをしっかりと伝えてくれる1冊です。
5. 『幸福を見つめるコピー 完全版』
岩崎俊一(2015年)東急エージェンシー
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数々の名コピーを手掛けていることに加え、広告に関する数多の賞を受賞しており、日本を代表するコピーライターとも呼ばれる岩崎俊一さん。そんな岩崎さんが手掛けたコピーとそれらに関するエッセイを収録したものが、こちらの本になります。
コピー単体でももちろん素晴らしいのですが、そのコピーが書かれた背景を知るともっと感動します。「幸福を見つめる」というタイトルの通り、この本で取り上げられているコピーやエッセイを通して自分の人生について改めて見つめ直すことができます。
6. 『ホントのことを言うと、よく、しかられる。勝つコピーのぜんぶ』
仲畑 貴志(2008年)宣伝会議
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数十年にわたりクリエイティブ界のトップランナーとして走り続けている仲畑貴志さん。現在も広告界を代表するコピーライターとしてご活躍されています。そんな仲畑さんが過去に手掛けたコピー1,412本(!)を収録したものがこちらの本になります。
仲畑さんの珠玉のコピーがあますことなく収録されており、クリエイティブの仕事をされている方にとってはまさに教科書のような存在とも言えるでしょう。一体こうしたコピーをどうやって仲畑さんは思いついたのか、かみ締めながら読んでいきたい1冊です。
7. 『最も伝わる言葉を選び抜く コピーライターの思考法』
中村禎(2017年)宣伝会議
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こちらは、コピーライター界の重鎮・中村禎さんによるコピーライティングの指南本です。私達は普段、言葉を使ってコミュニケーションをとっています。しかし「本当に自分の伝えたいことを言葉で正しく伝える」というのは簡単なようでなかなか難しいものです。そんな多くの人にとっての悩みの種である「伝え方」について中村さんが徹底解説してくれるのがこちらの本になります。
中村さんの経験を元に「伝え方」について語られているので、非常に具体的でどんな人でも理解しやすい内容となっています。またこの本で特筆すべき点は、アイデアの思考法だけではなく、選択方法について言及されている点です。言葉を考えていると何が必要な要素で何が不要な要素なのか分からなくなることがあると思います。そんな風に「うまく必要な言葉を選択できない」と悩んでいる人におすすめの1冊となります。
8. 『ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック キャッチコピー力の基本』
川上 徹也(2010年)日本実業出版社
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広告の仕事に関わらず、プレゼンや商品紹介などでここぞという時にグッとくる言葉が必要になることってありますよね。そんな時に頼りになる教科書的な本がこちらになります。広告業界に携わっていない人にも親しみやすい構成になっており、普段「言葉」にまつわる仕事をしていない人にとっても理解しやすい本となっています。
例えば、例題のコピーがそれぞれビフォー・アフター形式で書かれている点。こうした形式で書かれることにより、人の心を掴むコピーを書くためのコツが一目瞭然で分かります。「クリエイティブなどは難しそうで苦手」という意識のある方にとっても親しみやすい本となっていますので、ぜひ手にとってみてください。
9. 『逆境を「アイデア」に変える企画術 ~崖っぷちからV字回復するための40の公式~』
河西智彦(2017年)宣伝会議
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コピーライターだけでなく、クリエイティブディレクター・CMプランナー・プロモーションプランナー・PRプランナーなど様々な肩書きをもつ河西智彦さんによる本書。ひらかたパークやスペースワールドの再生などを担当した河西さんが自身の経験をもとにアイデアの発想方法について教えてくれます。
「予算がない・協力者がいない」など様々な逆境の中で、どのようなアイデアなら逆境を打破できるのか。スーパーマンでないと逆境を打破するアイデアは思い浮かばないのではないか、とついつい思ってしまいますが、本書を読めばそんなことはないとわかると思います。仕事が行き詰まっている人にとって、勇気が貰える1冊となります。
10. 『「言葉にできる」は武器になる』
梅田 悟司(2017年)宣伝会議
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いま注目されているコピーライターの中の一人といえば、梅田 悟司さん。「バイトするなら、タウンワーク。」、「世界は誰かの仕事でできている。」などのコピーが梅田さんの代表作となります。そんな梅田さんにより書かれたこちらの本ですが、現在10万部を超える大ヒットとなっています。
この本では、小手先だけのコピーライティングのテクニックだけではなく、自分の内側を見つめ直すことの大切さについて語られています。コピーライティングの上達はもちろん、日常生活でのコミュニケーションでどのようにしたらもっと自分の伝えたいことが伝わるようになるか、のヒントがきっと見つかるはずです。