せっかくなので映画と同じアングルで大仏様を撮ろうと思い、粘ってシャッターを切ったのですがこれがなかなか思うように撮れない。
というか、映画で見た鎌倉大仏と何かが違うのです。はて、そういえば映画では確か寺の外から大仏様が見えてたような気がしたけれど、大仏の位置的にそれは絶対に無理なのです。おそらく記憶違いだろうと思いながら、何枚も何枚も写真を撮ったのですが、やはり一向に映画の印象に近づかない。
後日、映画のWEBサイト読んでいると、恐るべきことがわかりました。
出典:twitter
↑なんと、大仏出現カットはVFXで作られたものだったのです。外から見えていたのは全然記憶違いじゃありませんでした。
“最終的には実際には通常外からは拝めない大仏が、緑あふれる街の風景に溶け込んで見えることにした。”
ってはっきりとサイトに書いてありました。
映像の中で違和感ない程度に美術を動かすことを専門用語で「盗む」というのですが、まさに大仏様はVFXによってしれっと盗まれていたのです。VFXがお得意の監督だからこそ、発想することができたカットだと思います。黒澤明監督が撮影のために実際に民家を撤去させたという逸話以上のこだわりです。
人を化かすのが魔物や妖怪だとしたら、山崎監督こそがまさに魔物。頑張って撮影していた自分がああ馬鹿らしい。
しかしまあ、VFXなるものにかかれば大仏様も小道具みたいなもんで、なんでもやれてしまう。これからの作り手はむしろ「やらないこと」に品性を求められる時代なのかもしれません。
江ノ電で向かうのは、当然ながら江ノ島だった
江ノ島駅から、江ノ島までわりと歩くという事実に慄然としながらも、弁天橋から見える江ノ島の景色に、思うことがありました。
弁天橋から見える江ノ島はまるで「千と千尋〜」で、千尋が迷いこむ異世界のように見えるのです。ちょうど湯屋(江ノ島アイランドスパ)もあります。
本作の設定では黄泉の国は人それぞれによって捉え方が違うらしく、あのジブリな世界は一色正和(堺雅人)が見ている世界です。しかし、鎌倉の男が見える黄泉の国だというならば、江ノ島じゃだめだったのか?
先ほども本作の黄泉の国への違和感について述べましたが、江ノ島だったら江ノ電が通じているのも理解できるし、江ノ島には、妖を引き寄せそうな怪しげなパワースポットがたくさんあります。なぜ江ノ島にしないのか? そうブツブツ言いながら気色悪く歩いていると、再び魔物に遭遇しました。
ミイラです。250円で売っています。団子なので食えます。
余談:極楽寺にあるパワースポット
なかなか思うように撮れない鎌倉大仏に背を向け向かったのは極楽寺。ネーミング的にも魔物がいそうで期待大。
映画のロケーションにもなった場所なのですが、どこのシーンでどこが使われたのかよくわからずふらふらしていると、映画に出てきた象の魔物である象頭鬼を発見しました。
出典:twitter
↑映画では、魔物の親分に仕える参謀でもあり、なかなか怖い顔をしています。
しかし、実際発見した像頭鬼はこちらです。
わりと可愛い。なぜかトラメガ持っていると思いきや、ただスピーカーが前に置いてあるだけという。多少不気味さを感じないでもありません。
この建物の表へ回ってみると、
怪しい。怪しいよお母さん。木魚型ファミコンなのでしょうか。日本的な掛け合わせの妙だとでもいいたげですが、ただただ怪しい。
さらに奥に進むと、
妖怪ヒメロスとトノスの存在を示唆する看板がありました。これ以上中に行くのは危険なようです。
しかし、魔物を探す旅なのです。劇中でも一色先生は黄泉の国に勇気を振り絞って行ったじゃないか! 恐れる自分に喝を入れ、思い切って中に入ってみると・・・
うわー、なんということでしょう。レトロ!
ファミコンだ!
実はここ「レトロ秘密基地」という場所で、切りもりしてる怪しいお兄さん曰く「遊ぶ場所」とのこと。
奥の部屋ではボンバーマンでもりあがる大学生の姿がありました。突然訪ねて行っても予約が入ってなければ大丈夫みたい。遊ぶだけ遊んで500円らしいよ。アットホームな「怪しい少年少女博物館」みたいなところだと思います。
別にここの記事広告とじゃありませんが、出会いも兼ねて書いておきました。
ここが一番、魔物がいそうだったので。
ということで、「鎌倉ものがたり」を巡る旅、いかがでしたでしょうか。鎌倉に魔物はいたのかどうか。信じるの信じないの?
出典:オリコンニュース
どっち?
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