今回は「ライターになりたいけど、何からはじめていいか分からない・・・」「ライターとして活動しているけど、もっとスキルアップしたい!」という人が読むべき本を30冊ご紹介いたします。またライター志望者や現役ライターの方以外でも、日常で文章を書く機会は案外多いもの。
より伝わりやすい文章を書くことで、仕事や日々のコミュニケーションが円滑に進むようになります。今回はそうした人にもタメになる本を紹介します。「文章を書くこと全般」に悩みを抱いている方、ぜひ参考にしてくださいね! それではさっそくご紹介いたします!
1. 『文章の書き方』
辰濃 和男(1994年)岩波新書
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朝日新聞の「天声人語」の元コラムニストの辰濃和男さんが、わかりやすい文章の書き方を指南してくれる名著。ベストセラーとして発売から長きにわたり「伝わる文章を書きたい」という人の手助けとなってきました。
福沢諭吉などの名文を引用しながら、いい文章・分かりやすい文章のポイントを説明してくれます。また、文章の書き方だけでなく、「文章は心である」と文章への向き合い方もこちらの本では指導されています。この本を読むと、思わず背筋をぴんっと伸ばして書くことに向き合いたくなります。「何から読もう・・・」と悩んでいる人はひとまずこの本からはじめてみてください!
2. 『調べる技術・書く技術』
野村進(2008年)講談社
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ノンフィクション・ライターとして多くの賞を受賞した野村進さんが、ノンフィクション記事の書き方について記した本になります。「ノンフィクション・ライターになりたいわけではない」という人にとっても、文章を書く上で大事なポイントが詰まっている本です。
タイトルの通り「調べる技術」について、この本の半分以上に書かれています。資料収集方法やインタビューの仕方などについて、ことこまかく説明されています。街クリでライターをしてくださっている田中泰延さんも「調べること」がライターの仕事だ、とこちらの記事で言及していますが、文章を書く上で「調べる」というのは非常に重要な事です。しかし「実際調べるってどうすればいいの?」と悩んでいる方、ぜひこちらの本を読んでみてください。
3. 『伝える力』
池上彰 (2007年)PHP研究所
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元NHK記者で、現在はフリージャーナリストとしてテレビに出演するなど大活躍している池上彰さんの「伝え方」についての本です。著者の持つ「伝える力」が存分に活かされて書かれており、非常にやさしい文章で書かれています。ですので、普段は読書をしないという方にもおすすめです。
こちらの本では、メールやプレゼンの場など日常のコミュニケーションにフォーカスしながら、伝えることが必要なシーンでどうしたらより自分の伝えたいことが相手に伝わるかを教えてくれます。もちろん「より伝わる文章」の書き方についても本書では触れられていますが、ビジネスにおけるコミュニケーションに課題を感じている方におすすめの本になります。
4. 『伝え方が9割』
佐々木 圭一 (2013年)ダイヤモンド社
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元博報堂のコピーライターで現在はご自身でクリエイティブ・ブティックの立ち上げた佐々木圭一さんのベストセラー作。発行部数100万部以上と驚異的なセールスを記録しています。コピーライター時代に培った「伝え方」についてのノウハウが詰まった本です。
こちらの本では、「気になる人のデートの誘い方」や「忙しい上司に資料に目を通してもらう方法」など日常で誰しもが経験したことのある事例をもとに「どういう言葉の使い方をしたらより相手の心をつかめるか」について解説されています。「こういう言葉を付け足すと、より説得力が増す」など文章に必要なエッセンスが散りばめられています。
5. 『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』
山田ズーニー (2001年)PHP研究所
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糸井重里さんのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で「大人のための小論文教室」を連載し人気を博している山田ズーニーさんによる、伝え方指南書。山田ズーニーさんは長年、高校生の小論文指導にあたっており、そのノウハウをこちらの本で紹介してくれています。
「意見」「望む結果」「論点」「論拠」などの視点から、論理的にいい文章を書く方法、そして読み手の感情を揺さ振る書き方についてアドバイスしてくれます。論理的なだけでなく、「伝える気持ちの大切さ」についても記されており、ライティングに向き合う姿勢について改めて考えさせられる一冊となっています。
6. 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
古賀 史健 (2012年)講談社
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ベストセラー『嫌われる勇気』の著者でもあるフリーランスライター古賀史健さんによる文章講座。古賀さんが自身の経験から得た知識がふんだんに盛り込まれた本書は、今までたくさんのライティングに関する本を読んだ人にとっても新たな発見があるはず。
「不特定多数の人へ伝える必要がある時は10年前の自分に向けて書くつもりで」など目からウロコな知識が多く、読後は思わず文章を書きたくなってしまうような名著になります。
7. 『マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』
前田 安正(2017年)大和書房
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ドラマ「校閲ガール」のおかげで、知名度をあげた出版社や新聞社の校閲部。出来上がった文章の日本語があっているか、事実関係があっているかをチェックすることが校閲部の仕事です。朝日新聞のベテラン校閲記者が著者のこちらの本は、正しい日本語の使い方について記されています。
超入門的な内容からはじまり段々と難易度があがっていくという構成になっており、非常に丁寧に文法について解説がされています。「てにをは」など基本的な文法に不安がある、という方はこちらの本を読んでみてください。
8. 『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』
池上彰/竹内政明(2017年)朝日新聞出版
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先ほど『伝える力』の著者として紹介した池上彰さんと、読売新聞「編集手帳」を担当する竹内政明さんとの対談形式の本書は、新聞、雑誌、ブログなど不特定多数の人に伝えるための場でのライティングテクニックをあますことなく紹介しています。
池上さんが竹内さんにインタビューをしていきながら、二人が文章を書くときに気をつけていることを解説するという内容となっています。テーマの決め方、表現について、悪文退治、文章を書く時の核となるテクニックが紹介されており、「書く力」を養うためのヒントが散りばめられています。
9. 『「読ませる」ための文章センスが身につく本』
奥野 宣之(2014年)実業之日本社
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ベストセラー『情報は1冊のノートにまとめなさい』の作者でフリーライターの奥野宣之さんが書き方について指南する本。奥野さんは小さい頃からエッセイやコラムを読むことが大好きで、その中の名文を自身のセミナーで取り上げているうちに「『読ませる文章』はエッセイに学ぶべき」ということに気付きます。
そんな奥野さんの文章指南本なので、テーマごとに作家やエッセイストなどが書いた40の例文をもとに「この文に隠された読ませる文章のコツ」を解説してくれます。「読ませる文章を書くためのハウトゥー」を学ぶにはうってつけの1冊となっております。
10. 『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』
バーバラ・ミント(1999年)ダイヤモンド社
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世界の主要コンサルティングファームでライティングについて教鞭をとるバーバラ・ミントさんが独自の文書作成法を披露した本書。ベストセラーとして文章を書くことに悩んでいる多くの人の味方となってきました。
こちらの本ではバーバラ・ミントさんが自ら考案した「ピラミッド原則」と呼ばれる書きたいことを構造的にとらえて、それを文章に落とし込んでいくという方法での文章作成方法を指南。論理的に文章を書きたい、という方におすすめです。
10. 『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』
唐木 元(2015年)インプレス
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毎月3000本以上の記事を配信するウェブメディア「ナタリー」での新入社員向けのトレーニングを元に書かれた本です。文法やタイトルの付け方などの基本的なところから始まり、徐々に長文を書く際に必要なテクニックを紹介、と段階的に説明されており、ウェブライティングに必要なことを体系的に学ぶことが出来ます。
特にこの本のテーマとして置かれているのが「文章を完読されるにはどうしたらいいか?」ということ。最後までスラスラとストレスなく文章を読んでもらいたい人はぜひご一読を。明日から使える知識が詰まっています!