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「パーティーで女の子に話しかけるには」騙された気分はどうだい?

加藤広大 加藤広大


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それはおそらく、萌えポイントのニッチさである

1977年、パンク、ファッション、エイリアン、ラバースーツ、現代音楽への目配せ、ダブ、テッズ、ワキ、脚、フリークス、ダンス、フォーレターワード、ロミジュリ感、カルト、サイケデリック、ダサPV、ショボCG、B級映画感、カルト宗教、異端、多様性、まだまだあるが、このようなキーワードが山盛りで添加され、映画を形作っている。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/12/845fdeec4ed2bb00ad8917f1c1e80a72.jpg出典:IMDb

そして、各要素とも「そうそう、これこれ」とリテラシーがあれば大いに萌えられる味付けになっているが、あまりにピンポイント過ぎるので、ハマらない人はまったくハマらない可能性がある。さらに、大きなテーマである「パンク」が好きなだけで観るというのも、意外と危ない。すき焼きが大好きなのに春菊が嫌い、担々麺が食べたいのに苦手なパクチーが山盛りなので食えないなど、好きなものと苦手な物/理解できないものが同居している時の感覚は、誰しも味わったことがある筈だ。

しかし、逆を言えば何を知らずともハマってしまう可能性だってあり得るということで、短所にはなりえない。こういう映画は「シン・ゴジラ」と同様に、自分が好きな要素だけ抜き出してしまいがちなので、中途半端が一番危ない。もちろん、私も中途半端な一派に属している。

自分が好きな物ばかり摂取してしまうと、違うものが出てきた時に「これじゃない/思ってたのと違う感」が出る。何もかもがわからないと、最後まで「わっかんなーい、エル・ファニングは可愛いけどぉ」となる。ストーリーはわかり易すぎるくらいに作られているのに関わらず、とにかく記号に振り回されがちな作品なので、ついついつまみ食いをしてしまい、全体像が把握しにくいのだ。ここでもジョン・キャメロン・ミッチェルの騙しのテクニックが炸裂している。

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