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【2017年版】デザインが素晴らしかった映画パンフレット特集

加藤広大 加藤広大


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「ロスト・イン・パリ」

「ロスト・イン・パリ」は、可愛くて、面白くて、綺麗で、筋が通った映画である。小品だがウェルメイドな作品なので、DVDやNetflixなどで見かけたら、ぜひ観て欲しい。

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パンフレットは、いかにも日本人が思い描く「パリを舞台に描かれた可愛らしい映画」のイメージに忠実でありながらも、表紙の型抜きからはじまり、帯の処理、枠の取り方などに個性が光り、ステレオタイプなイメージをアップデートさせることに成功している。

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紙質も映画の質感と合っていて、落ち着いた色の沈み方をしているのも素晴らしく、映画と同様に洒脱なヌケ感があるのもいい。また、個人的に(制作するのが)苦手なデザインであるので、こういうのができるのは羨ましいな、というちょっとした嫉妬も入っての選出である。

「メッセージ」

もはや正体不明の宇宙船というよりは、「空飛ぶばかうけ」で有名、お馴染みの「メッセージ」であるが、このパンフレットは今年一番と言っても過言ではないほど良い出来だった。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/12/007.jpg

こちらも以前映画評を書いたので、詳しい解説はこちらをどうぞ。

『映画「メッセージ」。宙に浮く巨大なばかうけ内での異文化コミュニケーション』

中身はシンプル、写真以外は白黒のみで構成され、まるで劇中の宇宙船内部のような緊張感を醸し出すことに成功している。無骨と言っても差し支えないエディトリアルだが、そこがまたカッチリとしたSFイメージと、ヘプタポッドが描く曲線との対比になっているようで面白い。表紙の仕掛けもさることながら、中ほどにある厚手のトレーシングペーパーを利用した「遊び」は、映画を観た方ならば思わずグッとくるはずだ。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/12/008-e1512463030922.jpg

他にも、制作秘話から解りにくい箇所の解説はもとより、12人の評論家たちが、それぞれ違うテーマで語るレビューは映画により深みを与えるとともに、これが何度でも楽しめる作品であると教えてくれる。

街角のクリエイティブ ロゴ


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